「健康」で本格競争開始か 管理栄養士確保がカギに(2018.8.9)

ズームアップローソン写真修正①

 “健康”や“栄養”をキーワードにドラッグストア(DgS)とコンビニエンスストア(CVS)の競争が激しくなっている。

 DgSのツルハホールディングスグループで静岡県で店舗を展開する杏林堂薬局は、8月から静岡松富店(静岡市)など3店舗で、管理栄養士が消費者の健康状態に応じてサプリメントを選び、販売する事業を開始した。

 消費者は自分の健康・栄養状態などを店舗の専用携帯端末に入力し、管理栄養士がそのデータや相談内容に基づき、約1カ月~数カ月分のサプリを選択する。専用携帯端末には、オーダーメイドサプリメントサービスを展開するデザインサプリ社(東京都品川区)の栄養診断アプリが入っており、データを入力すると、自動的に必要な栄養素などが分かる仕組みになっているという。

 杏林堂薬局では、消費者の反響をにらみながら、他店舗にも拡大していく方針。「単に物を売るだけのDgSではなく、消費者の健康相談に積極的に応じられるDgSにしたい」(同社広報室)としている。

 一方、CVSのローソンは8月1日、東京都文京区にある「ローソン千駄木不忍通店」を、薬と介護、栄養の相談ができる店舗として、リニューアルオープンした。

 協力したのは、調剤薬局を展開するクオールと地元の医療法人龍岡会。同店舗は調剤薬局併設型のコンビニだったが、店内に介護・栄養相談窓口を設置。栄養面では週に数回、管理栄養士・栄養士を配置し、アドバイスを行う。売り場では栄養補助食品や保健機能食品のスペースを拡大した。

 同社ではCVSを「マチの健康ステーション」とする目標を掲げており、「千駄木不忍通店を通じて、地域包括ケアシステムを構築したい」(同社広報室)としている。

 こうしたDgSとCVSの取り組みでひとつの鍵となるのが、管理栄養士・栄養士の確保だ。CVSの場合、協力先の医療法人などがその役目を負うことになる。管理栄養士・栄養士がDgSとCVSの熾烈な競争にどう関わっていくのか。ここもひとつの見所といえそうだ。

【写真=介護・栄養相談窓口を設けたローソン千駄木不忍通店】


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