機能性表示制度 「評価する」5割に 「評価しない」も増える(2018.8.20)


 制度4年目を迎えた機能性表示食品制度を「評価する」健康食品受託製造事業者が約5割を占めるようになったことが、本紙のアンケート調査で分かった。ただ、届出受理までにかかる時間、売上に対する費用対効果の面での不満も大きいとみられ、「評価しない」の意見も増加。制度に対し、愛憎入り混じる思いを抱えている様子が窺える。

 健康産業流通新聞社は、全国の健康食品受託製造企業を対象に、2018年上半期に受注の多かった素材や喫緊の経営課題、設備投資の予定などとともに、機能性表示食品制度への評価などを尋ね、30社から回答を得た。

 機能性表示食品制度への評価について、「評価する」「評価しない」「どちらともいえない」の三択で回答してもらい、その理由についても尋ねた。同様の質問は、昨夏、今年新年に続く3回目。これまでの推移をみると、「評価する」が35→45→47%、「評価しない」が8→10→20%、「どちらともいえない」が56→45→33%となった。機能性表示食品のヒット商品は未だ一部であり、行政の制度運用に対する不満の声も依然多い一方で、業界の流れは明らかに機能性表示食品に傾斜している状況が、「評価する」の数字を押し上げているものと推測できる。

 ただ、「結局大手しか対応できない」といった声もある。実際には中小企業による届出も多く行われているが、届出受理までに必要な労力や時間と、売上の費用対効果の低さが影響し、「評価しない」の声も増やしているようだ。アンケートには、「売上の伸び率がいまいち。消費者の制度への理解ができていない」「製品を発売する手続きコストと販売量とのバランスはどうなのか」──などといった意見が寄せられた。

 他方で、「課題はあるものの、機能性表示食品制度は国内健康食品市場の拡大のけん引要因であることは間違いない」といった、今後の業界に必要不可欠な制度との前向きな認識を持つ声も挙がっている。

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