自転車競技でまたドーピング  JADAが発表 筋肉増強成分検出(2018.8.9)


 日本アンチ・ドーピング機構(JADA)は8日、5月に開催された全日本プロ選手権自転車競技大会に参加した競輪選手に対して、ドーピング違反による4年間の資格停止の制裁を課したと発表した。


 同競技大会に伴って行われた検査で、同選手からWADA(世界アンチ・ドーピング機構)が定めた禁止物質であるメタンジエノン代謝物とクロミフェンおよびその代謝物が検出された。医師の処方、あるいはサプリメントによるものなのか、それらの経緯については公表されていない。


 メタンジエノンは蛋白同化男性ステロイド薬で、スポーツ分野では主に筋肉増強目的で使用されるケースが多い。クロミフェンはホルモン調整薬で、一般的には排卵誘発剤として使用されるが、スポーツ分野では筋肉増強剤の副作用を抑える目的で使用されるケースが多いとされる。


 JADAによると、違反した選手は意図的な服用・摂取を否定しているものの、その主張・立証手続きなどは行わなかったという。4年間の資格停止は近年では異例の重い処分。自転車競技では昨年の国体でもドーピング違反が発覚している。日本自転車競技連盟では「さらなる再発防止策を検討していきたい」(アンチ・ドーピング担当者)としている。

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