ASCON届出評価 協力企業減 対話成立せず 負担増が要因か(2018.9.6)


 市民団体「消費者市民社会をつくる会(ASCON)」が民間の立場で独自に取り組む機能性表示食品の届出情報の点検・評価に協力しない届出企業が増えている。現在、届出番号「B」番台の点検作業を進めているが、およそ半数から回答がない状況だ。「事業者との『相互やりとり』(対話)を重視」(ASCON)した上での届出評価を信条としているが、コミュニケーション不全に陥った。

半数から回答なく
 今のところ影響力は限定的とみられるが、ASCONでは評価結果や届出者とのやり取りの一部をホームページで公開している。公開する理由は、消費者の商品選択に資すること、機能性表示食品制度のレベルアップにつなげること──の2つという。こうした取り組みを行っている民間団体は現在ASCONのみとされ、その理念に共感する業界関係者も少なくない。

 一方で、ASCONによれば、現在進行中の届出番号B番台の点検・評価でASCONの要請に対応した届出企業は、8月末現在で227社のうち114社にとどまるという。以前の届出番号A171から同210までの評価でも、回答を寄せない届出者が一部存在していたとされており、その傾向が大きく拡大している格好だ。

 ASCONによる届出情報点検に協力しない企業が増えている背景には、評価システムの変更があるかもしれない。届出番号B番台の評価から、届出者に「自ら点検」「自ら評価」させたうえで、その結果をASCON科学者委員会で改めて評価・点検する仕組みに変えた。そのため、以前と比べてASCONに協力する届出者の負担が大きく増している。

 以前は科学者委で点検表を作成。その上で疑問や疑義があれば届出企業へ質問、要望などを投げ掛け、回答を受けて評価を決めていた。この評価システムであれば、届出者は、相応の労力を割く必要はあったものの、ASCONからの問い合わせに回答すれば済んだ。一方で、評価する側のASCONからしてみると、科学者委の人員が限られることもあり、「あまりに(作業が)大変」(阿南久ASCON代表理事)だったという。

 機能性表示食品の届出情報は、消費者庁による事後監視も行われている。ASCONから求められるまでもなく届出情報の点検を自ら実行していても、追加資料の提出、場合によっては来庁まで要請され、今後の対応を迫られることもある。

 そうした行政を相手にしたシビアな対応が届出企業には求められている中で、民間団体の事後チェックにまで応じる余裕はないと考える企業が増えている可能性がある。特に、届出番号B番台は中小規模企業からの届出も少なくない。ASCONと同様、マンパワーの問題で対応が困難となっている可能性も考えられる。ASCONには、届出者の負担を考慮に入れた評価システムの再構築が求められそうだ。

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