成田に化粧品の新工場 H+Bライフサイエンス(2014.2.6)


 主に医療機関向け食品のメーカーである㈱H+Bライフサイエンス(東京都千代田区)は、このほど、成田国際空港の近く、多古物流団地内に化粧品の製造工場を新設し、自社製品に加え、受託事業によるOEM品の製造を開始した。この工場は、グループ会社の㈱ハーバー研究所のノウハウを活かした商品開発ができるほか、多品種対応の設備を導入し、製造コストを抑えながら小ロット生産も可能としている。

 化粧品の商品開発にあたっては、ハーバー研究所の30年に亘る基礎研究の成果や、数多く蓄積してきた消費者モニター調査の意見などを生かしながら、ユーザー満足度の高い商品づくりができるという。また、同工場はハーバーグループの基本理念である「5つの無添加」(パラベンなどの防腐剤無添加、石油系界面活性剤無添加、香料無添加、鉱物油無添加、タール系色素無添加)に基づいた、化粧品づくりのための製造技術を有する。

 さらに、苫小牧の工場と併せると、小ロットから大ロットまでのOEM受託生産体制が整っており、化粧品の製造を外部委託しているメーカーや、化粧品事業へ新規参入を考えている企業にとっては、ロットを気にせずに注文でき、リスクもミニマイズさせて自社ブランドの生産ができる。

 工場は敷地面積532.5平方㍍で、製造と分析スペースが配置されている。製造スペースは基材を量る秤量室、基材撹拌タンク(100㍑×1基、300㍑×1基)と基材乳化タンク(300㍑×1基、試験用の1.5㍑×1基)を配置した調製室、80~500㍉㍑ボトルに1日あたり最大で3000本基材を充填できる充填室、シュリンク機も導入した包装室からなる。

 さらに、同工場は化粧品GMP(アメリカ食品医薬品局の製造品質管理基準)に準拠した管理を実施。室内の空気の流れを圧力でコントロールし、外部からの侵入因子を防ぐ陽圧管理された空気清浄規格は、クラス10000の衛生環境を保ち、ハーバー研究所の北海道苫小牧工場と同レベルにある。
 製造可能品目はクレンジング、洗顔リキッド、化粧水、乳液、クリーム、ジェル、シャンプー、コンディショナーなど幅広い。充填可能容器はボトルやポンプ、ジャーなど。

 一方、工場内には化粧品、食品の分析機能があり、外部からの受託分析も行っている。滝本工場長は「成分分析に加え、菌検査や保存試験など幅広く対応しており、品質管理においても万全の体制を整えている」と言い切る。その自信の裏付けとして、安全性など品質に厳しい病院など80%以上の医療機関で採用されている低カロリー食品「マービー」をはじめ、約100種におよぶ商品を同工場が定期的に分析しており、社員には専門的な知識や技術などのノウハウが蓄積されていることが挙げられる。

 設置している機器は、バルク製造時に基材への菌の混入が調べられるクリーンベンチ、化粧品の有効成分や含有成分が調べられる高速液体クロマトグラフィーや吸光度計、水分含有量を量るカールフィッシャーなどがあり、さらに、安価にできることも特徴に挙げている。

 末端商品メーカーにとっては、メリットの多い外部製造拠点として活用でき、今後の展開が期待される。

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