アムスライフ 初の原材料開発に着手 (2018.11.22)


 健康食品受託製造のAFC‐HDアムスライフサイエンスは、機能性素材開発に着手する。現在、静岡県立大学薬学部と共同で柑橘類の皮に含まれる機能成分について研究しており、2022年度の事業化を目指す。中核事業の受託製造部門の取引先に向け、独自の機能性素材の活用を促すことで受注の拡大につなげていく考えだ。

 素材開発はグループ会社の日本予防医学研究所が担当する。6月の新株発行による調達資金の約15億円のうち2億円を、同社の原材料開発棟の新設と独自原材料開発の投資に充てる。原材料開発のベースとなる分析業務の強化を目的に、今年3月には最新鋭の高速液体クロマトグラフ機器を導入していた。今後は、蛍光X線分析器や農薬分析機器、抽出・濃縮・殺菌・ろ過・乾燥などエキスを製剤化する際の設備も順次導入していく。新設する開発棟は20年を目途に静岡県内に設ける。

 今後の展開について同社では、「まだ基礎研究の段階なので具体的な内容は今後詰めていくことになるが、生理機能の方向性として、美容やダイエット以外の部分に踏み込む。〝機能のある素材開発〟をテーマとして追求していく」(開発部)方針だ。

 同社が先月発表した18年8月期の連結業績は、売上高が対前年比4.3%増の158億円を計上した。中核事業の受託製造部門において、青汁や乳酸菌・酵母関連商品が好調に推移したことが要因。取引社数も400社に届く勢いで、そのうち機能性表示食品は24社42品目を請け負うなど、着実に受注件数を伸ばしている。前期の大型粉末充填機、ハードカプセル自動検査機の増設に加え、今期は流動層造粒機、ハードカプセル充填機を導入するなど生産ラインの拡充を図る。今後、原材料開発分野に踏み込むことで、受託事業の地盤をさらに強固にしていく。

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