向春草(徳之島産シマアザミ) ハントキーが市場投入へ (2019.1.10)

ZOOMUP_ハントキー_向春草に着目①

【写真=「アマミシマアザミ向春草」】
 
 中国の電子部品メーカー大手「ハントキー」が健康食品市場に本格参入する。主導するのは日本法人ハントキージャパン(東京都千代田区)。ポリフェノールやα‐リノレン酸を豊富に含み、〝メタボ〟予防の機能性も期待できる新素材、奄美群島徳之島産シマアザミに着目した。近く、日本で最終製品を発売し、販売プロモーションも展開しながら認知を高め、中国市場に販路を拡大させる。

 中国・深センを拠点とするハントキーは1992年設立のIT電源機器メーカー大手。DELL社などを顧客にグローバルに展開、近年では空気清浄器やビューティケア機器を開発するなどヘルスケア領域にも進出しており、健康食品の販売を手掛けるのは自然な流れとなっていった。

 ハントキージャパンが今月中に新発売するのは『アマミシマアザミ向春草』(=写真)。シマアザミの機能性研究などを手掛けるNPO奄美機能性食品開発研究会(徳之島町)が商標登録した「向春草(こうしゅんそう)」を商品名に掲げ、健康増進や美容に資する健康食品として、「まずは日本国内で支持を得たい」(羅誠社長)としている。

 シマアザミはキク科植物の一種。奄美群島の一部地域では、煮つけなどとして伝統的に食してきたとされる。これを健康食品素材に応用し、産業振興にも役立てようとしたのは医療法人徳州会」創設者の徳田虎雄氏。前述のNPO法人を立ち上げるなどして、産学連携で研究開発を進めさせた。

 徳之島産シマアザミの機能性研究には琉球大学や大阪大学らも協力。大阪大学が最近実施したヒト試験では、アディポネクチンの分泌促進機能を持つ可能性が確認されてもいる。

 新素材なだけに、今後さらなるエビデンスの積み上げが求められる。加えて、効率的な市場形成を進めていくためには、複数の最終製品が市場投入される必要もある。その中で重要になるのは、先陣を切るハントキージャパンの取り組みだ。発売後の動きが注目される。



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