国民健康・栄養調査 サプリ摂取状況調査へ (2019.1.24)


 厚生労働省「国民健康・栄養調査企画解析検討会」(座長・磯博康大阪大学教授)が17日に開催され、2019年の調査項目にサプリメントの摂取状況を追加する案が提示された。同省が実施担当となっている国の基幹統計調査「国民生活基礎調査」でも来年度、同様にサプリの摂取状況を尋ねる設問を新設することが決まっており、サプリの摂取状況を把握しようとする動きが加速している。

 17日の検討会で提示された項目案は、「サプリメントのような健康食品(健康の維持・増進に役立つといわれる成分を含む、錠剤、カプセル、粉末状、液状などに加工された食品)」の摂取状況を、「はい」「いいえ」の二択で尋ねるほか、摂取目的の成分として、たんぱく質、ビタミン、ミネラル、その他──の4つを例示して尋ねる項目案が示された。前者は国民生活基礎調査の設問と同じだ。

 国民健康・栄養調査の19年の重点ポイントは、「次期健康づくり運動の計画を見据えた社会環境の整備に関する実態把握」。厚労省はサプリを調査項目に追加した理由を「(重点ポイントを踏まえ)近年の食に関する傾向を把握する一環として、サプリメントの摂取状況も把握する」(健康局)としている。

 ただ、具体的な設問内容は、17日の検討会で多くの指摘が出されたため、確定はしていない。特に、2つ目の設問は書きぶりが変更されそうだ。同省では2月頃のとりまとめを目指したい考え。

 国民生活基礎調査にサプリに関する設問が追加された背景には、病気やけがなどで具合の悪い人や通院している人がサプリを使用している実態を厚労省として把握する目的がある。

 一方、国民健康・栄養調査については「サプリの摂取状況を把握すること自体が目的」(厚労省健康局)としている。ただ、栄養素を十分摂取できている人のサプリ摂取状況や、逆に、栄養素が充足していないのにサプリを摂取している人の実態も把握できると考えられる。


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