食品営業規制 検討、終局へ 健康食品は届出業種に(2019.3.7)


 厚生労働省の「食品の営業規制に関する検討会」(座長・五十君靜信東京農業大学教授)の第15回会合が2月28日に開かれ、とりまとめ案が提示された。健康食品・サプリメントの製造業は営業許可業種の対象にならず、新たに創設される届出業種の対象となる見通しだ。

 検討会の主なテーマは、①1972年以来となる営業許可業種の見直し②改正食品衛生法で盛り込まれたHACCP導入義務化に伴う営業届出制度の創設③都道府県が条例で定めていた営業許可に係る施設基準を新たに国が策定する(ただし国の基準は参考基準)──の3点。

 ①は、現在、政令で34の許可業種が定められているが、業種の統合や廃止、新設、届出業種への移行などによって、全体では32業種となった。ただし、このうち5業種が検討中のままで、許可業種の数は変わる可能性がある。

 2月28日時点で廃止が決まったのは乳酸菌飲料製造業のみ。届出業種への移行は乳類販売業など4業種(一部届出への移行業種も含む)。あん類製造業など6業種が類似の他業種と統合された。許可業種として新設されたのは、漬物製造業、液卵製造業、水産食品製造・加工業、自動販売機(屋外設置)、食品の小分け業など5業種となった。

 ②の営業届出制度については、営業許可業種に該当しない製造、調理、販売などを行う食品事業者が対象になることが明記された。今回の検討会でも健康食品・サプリメントが議題に取り上げられることはなかった。健康食品・サプリメントの製造・販売は、②の届出業種に該当することになるため、今後は自治体を経由して国に届け出ることが必要になる。

 ③の施設基準に関しては、すでに共通基準案が示されているが、自治体によっては現行の条例による施設基準よりも厳しくなる可能性があるため、運用に際しては弾力的に取り組む必要があることが指摘された。

 検討会は3月中にもとりまとめを行う方針で、厚労省は報告書がまとまり次第、必要な政省令の策定に取り組む予定だ。

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