サビンサ 黒クミン種子油を市場へ (2019.5.23)


 ブラッククミンの種子を原料にした超臨界液体抽出物の販売を、サビンサジャパンコーポレーションが近く開始する。サビンサグループの新製品として、世界的にほぼ同時に市場投入されるもので、種子に含まれるチモキノンなどを規格化したオイル品。パウダー品の開発も進められている。

 ブラッククミンは、「ニゲラサティバ」を学名とするキンポウゲ科植物の一種。青や白のきれいな花を咲かせ、小さな黒い種子をつくる。種子は「ブラックシード」と呼ばれることも多い。米国など海外では以前から、同種子を原料にしたオイルがサプリメントに使われている。

 ブラッククミンの種子は、アラビア語で「ハバット・アル・パルカ」と呼ばれるという。意味は「祝福された種子」で、真偽不詳だが、預言者ムハンマドがあらゆる疾患の薬に指定していたなどといわれる。イスラム圏などでは、民間療法として伝統的に利用していたらしい。

 サビンサグループでは今回新たに開発したブラッククミン種子抽出物を『ナイジェリン』(商品出願中=日本)としてブランド化し、世界的に展開する。オイル品のため、最終製品剤形はソフトカプセルにほぼ限定されるが、現在、粉末タイプの開発も進めている。これにより、最終製品開発の幅を広げたい考えだ。

 すでに完成しているオイル品の製品規格は、同種子に含まれる化合物のチモキノンおよびチモヒドロキノンを計0.5%以上、ヘデラゲニンを0.2%以上、さらに総脂肪酸として85%以上。脂肪酸については、オメガ6および9脂肪酸を多く含む。

 サビンサグループでは今回の新製品を、「マルチ機能」を備える植物機能性素材としてアピールしていく方針。文献上では、ブラッククミン種子オイルを使用した臨床試験結果が複数報告されており、その機能は、抗糖尿や血圧コントロールなどメタボリックシンドローム対応から、抗アレルギーや強壮まで広範に及ぶことが示唆されているためだ。抗酸化作用や抗炎症作用などを持つとされている。

 また、チモキノンについては、東京工科大学の研究チームが2013年、アミロイドベータの神経細胞毒性を保護する作用のあることを発見したと発表している。認知機能に影響を及ぼす機能性成分である可能性も考えられそうだ。

 サビンサジャパンでは、新製品の日本市場開拓にあたり、市場動向やニーズを見ながら、訴求ポイントなどを慎重に設定していく方針。まずは今月22日から都内で開催される展示会で披露し、業界関係者の反応を確かめる。



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