青汁向けの新素材登場 ウキクサ由来 高タンパクの特長も(2019.6.6)


 日成共益は米パラベル社が製造販売するウキクサ科植物由来の食品原材料「LENTEIN」(商品名・レンテェイン)の日本での取り扱いを開始する。主な用途は青汁を検討しており、今後は大学と協力してエビデンスの充実に取り組むほか、研究会などを設置して、認知度の向上を図っていく方針だ。

 「レンテェイン」の原料は、ウキクサ科の「Lemnaceae」という1年草で、この植物は熱帯から亜熱帯地域に広く分布する。1日で約2倍に成長するといわれ、日成共益によると、東南アジアでは古くから喫食経験もあるとしている。

 パラベル社は、2014年からフロリダで「レンテェイン」の製造に着手。現在、40ヘクタールのプール式製造施設を持つ。米国では粉末形状の最終製品としても販売されており、GRAS、カリフォルニア州のPROP65(安全飲料制度)、ハラール、コーシャなどの認証を取得済みだ。

 「レンテェイン」は、硝酸塩、人工着色料、化学調味料、食品アレルゲン不使用で、非遺伝子組み換え。パラベル社は近く生産能力を現状の40ヘクタールから6倍の240ヘクタールに拡大する予定で、日本などアジア地域での市場開拓に本腰を入れる考えだ。

 日成共益では、5月から紹介を開始しており、すでに40社以上から引き合いがきているという。同社によると、「レンテェイン」はタンパク質やアミノ酸スコアが高いほか、食物繊維、ビタミン、オメガ-3、ミネラル類も豊富に含有するとしている。

 日本での市場開拓は、主に「青汁原料向けに取り組んでいく」(同社新規事業部担当者)考え。「風味は薄味の抹茶味で、甘さもある。緑色のため、米国よりも日本の消費者に受け入れられやすいのではないか」(同)という。

 このほか、植物プロテイン原料、健康食品、一般食品への配合など幅広い用途が考えられるという。

 今後は、研究機関と協力して安全性の知見拡充や栄養成分などのデータ整備に取り組むほか、研究会などを設置して、「レンテェイン」の認知度向上を図る方針だ。大学とも協力する。


Clip to Evernote

ページトップ