東洋新薬、新工場を稼働 まずは健康食品を生産 (2019.6.20)

東洋新薬_新工場竣工①

 東洋新薬は、昨年2月から建設を進めていた新たな総合受託製造工場施設「インテリジェンスパーク」(佐賀県鳥栖市)を6日竣工し、17日から稼働を開始した。6日には工場施設内で竣工式を執り行い、鳥栖市長ら行政関係者や近隣企業関係者ら約100名が臨席した。

 インテリジェンスパーク敷地(7万5000平方㍍)内に延床面積2万2000平方㍍の「第1工場」をまずは完成させ、粉末や打錠の健康食品の生産を始めた。化粧品の製造も視野にあるが、当面は特定保健用食品、機能性表示食品、一般健康食品に生産アイテムを絞り、既存工場と並行稼働させながら生産規模を拡大させる。

 同社は2017年1月に新工場の建設を発表。とくに15年施行の機能性表示食品制度に伴う受注増大を受け、既存の生産キャパシティでは対応が難しくなり、生産規模の拡大が喫緊の課題となった。そのため、以前から計画していた新工場の建設を進めるに至った。

 今回竣工したインテリジェンスパーク第1工場(鉄筋コンクリート造、地上6階建て)の投資額は、操業初期で約75億円。17日に稼働を開始したのは工場の一部で、今後、必要な生産設備を順次導入していくことで最終投資額は110億円に達する見通しだ。同社の売上高は、グループ売上として224億4000万円(18年9月期)。従業員は約1000名。

 生産能力については非開示としているが、既存工場の鳥栖第1工場、同第2工場の二つを合わせた生産規模の少なくとも1.5倍以上が見込まれるといい、大規模生産に適す大型工場となった。

 また、工場設計にあたっては、流動性や柔軟性をもたせたスペース設計を行っており、今後の需要や顧客からのニーズに応じやすくしてあるという。要望に応じて大ロットから中小規模ロットまで柔軟に対応していく方針。工場認証関係については、健康食品GMPはじめISO9001やISO22000を取得する方向だ。

 同社は6日、インテリジェンスパーク第1工場の竣工に合わせて同工場に関するコメントを出し、「機能性表示食品や特定保健用食品をはじめとする高品質で高付加価値の製品の生産規模を拡大し効率化を図るとともに、変化するお客様のご要望に柔軟に対応できるようフレキシブルな設備設計を特徴としている」とした。加えて「鳥栖第1工場・第2工場と同様に、厳しい品質管理体制で世界基準の工場を目指す」ともコメントし、海外市場にも通用する健康食品のODM・OEM工場に成長させたい意向を示した。操業初期の従業員数は約200名となる見通し。

「第2、第3工場建設目指す」
 6日のインテリジェンスパーク竣工式で挨拶に立った東洋新薬の服部利光社長は、「令和元年に相応しい新工場に中身を整え、社員一同、皆さまのご期待に沿うべくより一層努力し、第2、第3のインテリジェンスパーク工場を、鳥栖のこの地に建てられるよう努めていきたい」と抱負を語った。
【写真=6日に竣工したインテリジェンスパーク第1工場の外観】


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