「白髪が黒髪」優良誤認 サプリ通販 立て続く措置命令(2019.6.20)


 健康食品を摂取することで白髪が黒髪になる効果が得られるかのように表示していたのは優良誤認に当たるとして、消費者庁は今月5日、ネット通販事業者のECホールディングス(東京都目黒区青葉台)に対し景品表示法に基づく措置命令を行い、発表した。健康食品での類似の表示を巡り同庁は今年3月、福岡市の通販事業者に措置命令を行っていた。

 発表によると、ECホールディングスは自社ウェブサイトで販売する『ブラックサプリEX』について、白髪が目立つ人物および〝After〟と付記された黒髪の人物のイラストや、同品の容器包装写真などとともに、「1日3粒飲むだけで私もこんなに変われた秘密のサプリ!」「年齢のせい…じゃなかった!」などと表示。「簡単にできる白髪対策として話題!」などとも表示していた。

 消費者庁は、不実証広告規制に基づき表示を裏付ける合理的根拠資料を提出するよう同社に求めたが、期間内に提出しなかったという。

 また同社は、同品をアピールする表示に加え、「使用感には個人差がございます」「効果・効能を保証するものではございません」などと打消し表示を行っていた。しかし消費者庁は同品の効果に関する認識を打ち消すものではないと判断。無効な打消し表示と認定した。

 同庁によると、同社は同品の優良誤認表示を認め、謝罪する社告を4月24日付一般紙2紙に掲載。そのため措置命令では、再発防止策を講じ役員、従業員に徹底させること、合理的な根拠なく同様の表示を行わないことの2つを命じた。

 同庁は、違反表示期間中(昨年10月から今年2月頃)の同品の売上高について「課徴金の検討も行う必要があることからコメントは差し控えたい」としている。同社は、問題となった表示を改めて、現在も同品の販売を続けているもようだ。

 健康食品に関するヘアケア表示が優良誤認と認定され、通販事業者が措置命令を受ける事案は、今年3月にも発生していた。この時問題となった表示は、福岡市の通販事業者が自社ウェブサイトで販売していた『黒フサ習慣 ブラックマックスS』という健康食品に関するもので、消費者庁によると、黒髪の人物の写真とともに、「白髪染めはしたくない!」「ロマンスグレーはまだ早い!」「艶のある漆黒に憧れる世代の方に」などと表示していた。

 このため同庁は、あたかも白髪が艶のある黒髪となる効果が得られるかのように示す表示を行っていたなどとして、同社に措置命令を下した。

高島屋、化粧品で景表法違反 147商品で原産国表示に誤り
 消費者庁は13日、百貨店大手の高島屋が自社ウェブサイトで販売している「ディオール」「シャネル」「グッチ」などの化粧品について、事実ではない原産国を表示しているのは景品表示法違反(原産国の不当表示)にあたるとして、再発防止などを含めた措置命令を出した。

 高島屋では、2011年8月17日から19年4月3日までの間に、ファンデーションやマスカラなど25ブランド、147商品で違法表示していたという。同庁表示対策課によると、景表法違反となった1社あたりの商品販売数としては過去最多だったとしている。

 違反事例として、実際の原産国は「大韓民国」と商品に記載しているにも関わらず、ウェブ上で説明している原産国では「フランス」などと誤った表示をしていた。

 高島屋では同日、「表記内容のチェック体制の一層の強化を含む対策に万全を期していく」などとネット上で謝罪している。


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