定期購入巡る相談 増加続く 都18年度 化粧品急増 健食高止まり(2019.8.8)


 インターネット通販の定期購入を巡る消費者相談が引き続き増加している。東京都が7月29日発表した2018年度消費生活相談概要によると、相談件数は2982件と3000件に迫る水準に迫り、前年度から400件弱も増えた。定期購入を巡る相談が多いのは健康食品と化粧品だが、健康食品の相談件数は1722件と前年度比でほぼ横ばい。化粧品は1288件と約1.8倍も増加している。

 全国的にも状況は変わらないと考えられる。健康食品の定期購入に関する相談は、体調不良の訴えと一体化されている場合も少なくない。定期購入を巡る相談の増加は、健康被害情報の増加の呼び水となる可能性がある。

 定期購入に関する主要な相談内容は、「お試し」のつもりで申し込んだものの、複数回購入しなければ「定期購入」だったというもの。その上で、「解約できない」との訴えが目立つ。東京都や都内区市町村に消費者から寄せられた定期購入に関する相談件数は2016年度に急増した。前年度比約2.5倍の2082件を記録し、以降、右肩上がりで推移している。

 18年度の特徴は、化粧品に関する相談の急増だ。16年度395件、17年度667件と増加傾向を示していたが、18年度は一気に1200件を超えてきた。一方、健康食品に関する相談件数も高止まったままで、2年度連続で1700件台を記録した。

 東京都の場合、定期購入に関する相談を申し入れるのは40歳代、50歳代が多い。18年度は50歳代が792件と最多。次いで40歳代が577件、60歳代が533件と続き、60歳代については前年度の154件から大幅に増加した。20歳未満からも154件の相談が寄せられている。

都ネット広告監視 健康食品152件 292事業者に改善指導
 東京都が2018年度インターネット広告表示監視事業で行った景品表示法に基づく改善指導件数は、292業者318広告に及んだ。健康食品広告に関しては、指導件数全体のおよそ半数に当たる152件に上った。化粧品広告は79件だった。広告監視数は2万4000件。都が7月31日に公表した。

 改善指導件数は前年度と比べると減少した。前年度の監視件数も2万4000件で18年度と同じだが、前年度の指導件数は384事業者354広告に上り、措置命令も1事業者に対して下していた。

 前年度の健康食品広告に対する改善指導件数は181件で、18年度よりも約30件多かった。
 18年度の指導内容の内訳は、「優良誤認のおそれ」が294件、「有利誤認のおそれ」が89件、「過大な景品類の提供のおそれ」が5件と優良誤認が最も多かった。前年度も同様だった。

 都によると、18年度調査の特徴は、前年度と同様に、健康食品と化粧品の広告で「誇大な効能効果等」を謳う表示で多く見受けられたこと。

 表示例についても前年度とほぼ同様の事例を示しており、健康食品については「商品を摂取しただけで痩身効果を得られるかのような表示」「商品を摂取することで鼻炎や花粉症が改善できるかのような表示」。化粧品については「シミなどを改善できるかのような表示」を取り上げている。



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