18年度PIO‐NET トップは化粧品に 危害情報、健康食品2位(2019.8.22)


 国民生活センターが8月8日公表した2018年度の商品・サービスなどに関する危害・危険情報のまとめで、2年度連続で危害情報の件数トップだった健康食品は、前年度から58件減少した。ただ、件数は1793件と全体の16%余りを占め、2位にとどまった。変わってトップになったのは化粧品。件数は前年度から235件増えて1819件に上った。まつ毛美容液に関する危害情報が増加したという。

 国センや全国の消費生活センターが運用するPIO‐NET(パイオネット、全国消費生活情報ネットワークシステム)に18年度(19年5月末まで)蓄積された危害・危険情報をまとめたもの。危害情報とは、商品やサービスに関連して「病気等の疾病を受けた」などとする情報のことで、18年度は全体で1万939件に上った。前年度比では約370件減少した。

 健康食品に関する危害情報の件数は、16、17年度と2年度連続で1800件台に達してトップだった。15年度は907件と1000件に満たず、順位も3位(トップは化粧品)だったが、16年度に急増していた。

 18年度は2位に順位を下げたものの、国センは酵素食品に関する情報が前年度285件から「倍増した」と指摘している。健康食品に関して寄せられた危害内容の最多は「消化器障害」で、約6割に当たる1024件。次いで「皮膚障害」が496件、「その他の傷病及び諸症状」が220件の順だった。

 健康食品に関する危害情報を寄せたのは、女性が最多で8割以上に上った。年代別では「50歳代」が423件で最も多く、次いで「40歳代」が386件、「60歳代」が316件の順で多かった。10歳代からも34件の情報が寄せられた。

 なお、国センでは、健康食品に関する危害情報の事例として次の2つを示している。
 「SNS広告を見て酵素食品の定期コースを注文し飲んだところ、じんましんが出た。解約を申し出ると診断書を提出するように言われたが、業者を信用できないので提出したくない(50歳代女性)
 「整体院に勧められサプリメントを扱うネットワークビジネスの会員になったが、飲用したところ、眠気がひどくなるなど、サプリメントが体に合わないので退会したい(30歳代女性)」

定期購入トラブル増加続く
 一方、国センが同日公表したPIO‐NETに基づく18年度の消費生活相談情報のまとめでは、健康食品に関する相談件数は3万2735件となり、前年度から約2400件も増加した。これにより前年度の相談件数5位から3位に順位を上げた。

 化粧品も前年度から約4200件も増え、2万225件と伸び率で3位だった。健康食品、化粧品ともに、通信販売で通常よりも安い価格で購入したところ「実際は定期購入だった」という相談が多いとみられる。国センでは「解約申出期間中に(事業者と)連絡が取れず、解約できないという相談もみられた」としている。

 国センによると、健康食品や化粧品の定期購入の解約トラブルを巡る相談件数は、健康食品に関する危害情報が急増したのと同じく、16年度から急増している。

危害情報 なぜ多い 解約できない不満と関連?
 健康食品に関する危害情報は、「解約」を巡る不満と一体化している場合が少なくない。消費者庁と国民生活センターが連携して運用する「事故情報データバンクシステム」には、「スマホでお試し300円とあった痩身サプリを注文。服用したところアレルギー症状が出た。返品したいが電話が繋がらない」などと、健康被害を訴えつつ解約できない不満を申し立てる相談が数多く登録されている。

 同システムに登録された健康食品に関する事故情報件数は、2018年4月1日から19年7月末までの間で2400件余り。このうち、解約に絡んだ訴えとセットになった危害情報件数は、1300件余りと過半数に達している。

 たとえば、国センが今月8日に公表した「2018年度のPIO‐NETにみる危害・危険情報の概要」で、健康食品の中で危害情報が「倍増」したと指摘された酵素食品について検索すると、危害情報の登録件数は600件余り。そのうち、実に約400件が解約トラブル情報とセットだ。

 具体的には、「初回無料の酵素サプリの定期購入契約をした。サプリを飲んだら吐き気と下痢に襲われ、解約を申し出たら高額請求を受けた」▽「スマホで生酵素サプリを初回無料で注文した。先週届いたが、飲むと下痢になる。解約したいが電話が通じずメールに返信もない」▽「ネット通販で酵素サプリを定期購入で申込んだが、体調が悪くなり解約を申し出たが拒否された」──などといった不満が列挙されている。

 健康食品を摂取して健康被害を受けて、その上、定期購入の解約が出来ない二重被害に見舞われたと訴える消費者がこうも多い現状をどう捉えるべきか。自身も気づかぬ間の定期購入契約を解約できない不満が、健康被害の訴えに繋がっている場合も少なくない可能性も考えられなくはない。売る側にとって都合のよい販売手法が、健康食品に関する危害情報件数の高止まりの一因となっている可能性がある。

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