オーブ 「アスリート菌」を提案 元日本代表が市場参入(2019.10.10)

AuB①

 サッカー元日本代表選手の鈴木啓太氏が社長を務めるAuB(オーブ)は10月2日、都内で新製品発表&事業説明会を開き、サプリメント、飲料などの事業に本格参入する方針を明らかにした。第1弾として、酪酸菌を配合したサプリメントを12月初旬に発売する。同製品については英LGC社のインフォームドチョイスも申請中だ。原料供給にも取り組んでいくほか、資本提携先の大正製薬と共同開発にも乗り出す考えだ。

 同社は2015年10月に鈴木啓太氏が設立した企業で、これまでアスリートの便から腸内細菌を解析する事業などを行ってきた。今年9月には三菱UFJキャピタル、大正製薬、個人投資家を引受先とする第三者割当増資を実施し、約3億円を調達している。

 12月に発売するサプリメント「AuB BASE」(オーブベース)は、収集した約1000検体のアスリートの腸内細菌データを基に作られたもの。同社初の製品となる。酪酸菌をメインに29種類の菌を配合した同社開発の「アスリート菌ミックス」(アスリート・ビオ・ミックス)をベースに各種ビタミン、ミネラル類を配合した。

 同社によると、アスリートは一般人よりも酪酸菌が多く、腸内細菌叢の多様性が高いと言い、サプリの摂取により、アスリートの腸内細菌環境に近い状況を作り出そうというのが、今回の新商品のコンセプトだ。価格は90粒入り(約1カ月分)で税込2728円を想定。同社の公式通販サイトで販売する。

 今後は飲料分野も含めて開発製品を増やしていく方針で、機能性表示食品についても届出を検討していく考え。「腸内細菌の分野なので届出は難しい取り組みになるが、第2弾以降の製品で考えていきたい」(冨士川凛太郎取締役)という。また、資本提携先の大正製薬とは、「第2弾製品以降、製品開発などで協力していく」(同)としている。

 また、最終製品販売とは別に、「アスリート・ビオ・ミックス」の原材料販売やライセンス提供も手掛けていく方針。同社では今年6月、都内に新たな研究ラボ(シェア研究施設)を確保しており、「新たな菌の発見や菌の特許ビジネスにも力を入れる」(同)としている。

 新商品「AuB BASE」については、すでに英LGC社のアンチ・ドーピング認証「インフォームドチョイス」の取得申請を進めており、「スポーツ関係者の摂取が多くなることが考えられるのでアンチ・ドーピング対策には力を入れたい。商品は委託生産になるが、委託先についても、そこの部分をしっかり取り組んでいく」(同)としている。

【写真=初の商品「AuB BASE」を手にする鈴木 啓太郎社長(右) 富士川 凛太郎取締役(左)】

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