9月の家計調査 健康食品支出11カ月ぶりプラスに(2019.11.21)


 総務省統計局が11月8日発表した2019年9月の家計調査(2人以上世帯)によると、サプリメントなど健康保持用摂取品の1世帯当たり消費支出額は1341円となり、前年同月比は、調査方法の変更に伴う変動を調整した変動調整値の名目で15.7%の増加だった。物価変動の影響を除いた実質でも17.6%のプラス。増加は11カ月ぶりとなる。

 世帯別の消費支出額を見ても、勤労者世帯は変動調整値の名目で25.5%増の1043円と大きく増加。勤労者以外の世帯も同13.3%増の1686円と2ケタ増を示している。健康保持用摂取品の主要な消費層と考えられる勤労者以外世帯の9月の消費額は、今年1月以降では最高額を記録した。

 サプリメントなど健康食品は軽減税率制度の対象とされているものの、10月1日の消費増税を控えた駆け込み需要の影響を受けた可能性も考えられそうだ。9月の1世帯あたり消費支出額は30万609円。駆け込み需要によって前年同月比は変動調整値の実質で9.5%と大きく増加した。比較可能な2001年1月以降で最も高い伸び率とされる。

 統計局の調べによると、消費増税による駆け込み需要が認められた主な品目は、医薬品のうち栄養剤(対前年同月の実質増減率53.4%増)▽保健医療用品・器具のうちコンタクトレンズ(同95.7%増)▽理美容品のうち化粧水(同45.7%増)、化粧クリーム(同43.9%増)、ファンデーション(同84.6%増)──をはじめ家庭用耐久財、家事用消耗品、酒類、交通など幅広い品目で駆け込み需要が発生した。高額品目では自動車購入は同2.8倍と非常に高い伸びを示したという。

通販でも約10%伸びる
 通信販売でも9月は健康食品の売上高が伸長した。
 日本通信販売協会が11月1日発表した2019年9月度の通販売上高調査結果によると、健康食品の売上高は前年同月比9.7%増加の133億5600万円となり、2ケタ増加に迫る伸びを見せた。プラスは3カ月連続だが、前の月の1.1%増加と比べて伸び率は大きく高まった。調査対象企業は通販協の会員企業138社。

 通販ではとくに化粧品の売上高が大きく伸びた。通販協の9月の月次調査では、同43.6%増加の164億円と大幅伸長。普段は売上高が拮抗している健康食品を30億円以上も上回り、総売上高に占める構成比は13.3%に達した。「その他」を除いて全商品カテゴリーの中で最大の伸び率を示した。

 9月は、健康食品と同様に軽減税率対象の食料品(健康食品を除く)の売上高も伸びた。同10.1%増の75億5900万円と二ケタ伸長。これにより、健康食品と健康食品を除く食料品を合わせた売上高は、209億1600万円となり、両者を合わせた売上高は前年同月比で9.9%増加した。増加は4カ月振り。

 9月の総売上高は、同17.4%増の1235億2200万円だった。通信・教育を除く全ての商品カテゴリーが前年同期を上回った。二ケタ増を示した商品も目立ち、家庭用品は同36.0%増の153億5500万円、衣料品は同14.1%増の200億9100万円と大きく伸びた。

 また、1社当たり平均受注件数も前の月と比べて増加した。件数は5万9703件(回答107社)で、前の月よりも約2500件多かった。ただ、前々月の7月との比較では、約1万1000件下回っている。

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