コリンエステル ナス由来成分で届出目指す (2019.12.12)


 信州大学やADEKAなどが参画する「ナス高機能化コンソーシアム」は11月19日、ナスに高含有するコリンエステルが血圧低下機能や抗ストレス機能を持つ可能性を、プラセボ対照二重盲検ランダム化比較試験で確認したと発表した。コンソーシアムでは今後、今回の臨床試験結果を土台に、ナス由来コリンエステルを機能性関与成分とする機能性表示食品の研究開発を生鮮食品、サプリメントの両面で加速させ、2021年3月までの届出を目指す。

 コリンエステルは神経伝達物質の一つ。交感神経活動抑制機能があるとされる。天然物にも含まれる物質で、ナスにとりわけ高含有しているといわれる。

 同コンソーシアムは、研究機関として信州大学、北海道情報大学、農研機構、高知県農業技術センター、企業としてADEKAとサラダコスモ、ナス生産者として高知県の倉澤農園(高知県)が参画する産学官共同事業体で、「ナス栽培農家の所得向上」や「農林水産業の国際競争力強化」を目的に2017年に発足していた。

 発表によると、今回の臨床試験は日常生活でストレスを感じているⅠ度高血圧者及び血圧が高めの健常人100名を対象に実施したもので、試験食品群はコリンエステルを2.3㍉㌘含む「ナス水抽出物」を12週間継続摂。その結果、拡張期血圧が摂取8週間後にプラセボ群と比べて有意に低下。また、血圧が高めの被験者では、ストレス指標のTMD得点が摂取12週間後の時点でプラセボ群と比べて有意に低く、ストレス改善の可能性が確認されたという。



Clip to Evernote

ページトップ