第2期 健康・医療戦略案 食品機能「新表示目指す」 (2019.12.26)


 政府は「第2期健康・医療戦略」と「医療分野研究開発推進計画」の案を取りまとめ、12月14日から意見募集を開始した。募集期間は同月27日まで。保健機能食品制度の今後に直結しそうな項目としては、「免疫機能の改善などを通じた保健用途における新たな表示を実現することを目指す」ことが盛り込まれた。政府では意見募集終了後、今年度内の閣議決定を目指す方針。

 現行の健康・医療戦略および医療分野研究開発推進計画は、2014年5月に制定された健康・医療戦略推進法に基づくもので、今年度が計画の期限となっていた。このため政府では内閣府の健康・医療戦略推進室が中心になって次期戦略案の検討を進め、12月6日の政府の健康・医療戦略本部参与会合で案が決定された。

 第2期計画の期間は、2020~24年度で、基本方針は、①「世界最高水準の医療の提供に資する医療分野の研究開発の推進」、②「健康長寿社会の形成に資する新産業創出および国際展開の促進」──の2点。

 このうち②の「具体的施策」の一つとして、健康食品関連事項についても触れられており、特定保健用食品や機能性表示食品など保健機能食品制度の適切な運用を図ると同時に、「機能性表示食品等について科学的知見の蓄積を進め、免疫機能の改善などを通じた保健用途における新たな表示を実現することを目指す」ことが新たに盛り込まれた。エビデンスが蓄積されることを条件に、保健機能食品を国民の健康・維持増進により役立てたい目的があるとみられる。

 免疫機能に関する食品機能性表示を巡る動きについては、今年6月に開催された日本抗加齢医学会総会で、健康食品産業協議会の分科会メンバーが、表示実現に向けた研究報告と提言を行っており、腸管免疫(粘膜のバリア機能)に関する働きを作用機序としてヘルスクレームに盛り込む方向性であれば、実現可能性があると訴えていた。

 第2期医療分野研究開発推進計画案については、第1期計画で9つあった統合研究プロジェクトが、5つに集約されている。

第2期健康・医療戦略の健康食品に関わる部分(抜粋)
健康な食、地域資源の活用
 食品の機能性等を表示できる制度を適切に運用するとともに、機能性表示食品等について科学的知見の蓄積を進め、免疫機能の改善などを通じた保健用途における新たな表示を実現することを目指す。また、消費者の理解増進のための消費者教育を充実させる。



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