トクホの試験方法など例示 消費者庁が指導要領案(2014.2.20)

140221消費者委新開発第二

 消費者庁は特定保健用食品(トクホ)審査に係る事項や申請手続き、安全性や有効性評価に必要な試験方法などを示した「特定保健用食品の審査等取扱い及び指導要領」の改正案を策定した。案では、摂取方法の表示やバランスの取れた食生活の普及啓発を図る文言の記載をより目立つよう配慮することなどを新たに加えた。また、代表的な保健用途に関する安全性や有効性試験方法の詳細を例示した。

 同指導要領の改正は、昨年6月に閣議決定した「規制改革実施計画」で、トクホ許可申請手続きの合理化、迅速化に向けた改革指示を受けたもので、同庁は消費者委員会、食品安全委員会から意見を聞き、今年度中に結論を得た上で来年度中の通知改正を目指している。

 改正案は、厚生労働省が策定した現行の指導要領から大きな変更はないが、関与成分以外の栄養成分の表示において、昨年9月の栄養表示基準改正で新たに追加された、合理的な推定値による栄養含有量の表示を認めないなど、関連法令等の改正を反映した。また1日当たりの摂取目安量とともに「食事と一緒に」など摂取方法の表示を行うことや、摂取上の注意事項やバランスの取れた食生活の普及啓発を図る目的で表示を要求している「食生活は、主食、主菜、副菜を基本に、食事のバランスを。」の文言を、確実に消費者の目に留まるよう、文字の大きさや配置、パッケージデザイン等に配慮することを新たに加えた。

 一方、指導要領の別添となるトクホ申請に係る留意事項についても改正案を示し、安全性及び有効性試験について、試験責任者が承認する試験計画書の作成や、摂取前及び摂取期間中の食事調査、必要な測定を後観察終了時にも行うことを求めるなど、試験の信頼性を向上させる方策を盛り込む。

 また、既許可品の審査において蓄積した、コレステロールや血圧、血糖、整腸など代表的な7つの保健用途に関する試験方法の考え方を例示し、審査の迅速化につながるよう配慮した。このうちコレステロールでは、原則として二重盲検法並行群間試験の実施や層別解析が可能な人数を確保することなどを明記した。さらに、一部の保健用途については有効性の判定方法も示した。例示はあくまでも参考であり、この通りの試験を行っても委員からの指摘で追加資料が求められるなど、審査が長引く可能性はあるが、例示は既許可品の審査を参考にして策定されたものであるだけに、例示されたレベルの試験を実施していれば、許可に至る確率は高まるといえそうだ。

【写真は要領案について審議する、2月12日の消費者委員会新開発食品評価第一調査会】

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