キリンHD・中計進捗 シナジー創出 「早期に実現」 (2020.2.27)


 キリンホールディングスが中期経営計画の重点施策として掲げてきた「医と食をつなぐ事業」。昨年8月に資本提携したファンケルが加わることで事業拡大が進みそうだ。キリンHDは今月14日に開いた2019年度決算説明会のなかで、20年度以降に進める事業計画の進捗状況を発表。そのなかでファンケルとのシナジーについて、5年後に70億円の事業利益を見込むことを明らかにした。

 「キリンが持つ発酵技術による機能性素材を、ファンケルの製品化技術とマーケティング力を生かして、お客様にお届けする一連のバリューチェーンの基礎が完成した」と磯崎功典社長は説明会で述べ、ファンケルとのシナジー事業を早期に実現させる考えを示した。

 5年後を目途に約55~70億円の事業利益を生み出す計画。その内訳については、両社のブランドを活用したコラボ商品の開発シナジーで25~30億円、両社の独自チャネルの活用や通販の相互送客などのチャネルシナジーで5~10億円、原材料の調達や生産・物流での協業など機能効率化シナジーで25~30億円を見込んでいる。

 具体的な事業計画としては、キリンビールとキリンビバレッジにおいてファンケルブランドを活用した商品開発が進んでおり、また、キリンの独自素材を用いたサプリメントをファンケルが手掛けることを予定している。それら製品は今秋以降に投入する方針で、詳細は来月開催のインベスターデイ(投資家向けのイベント)で発表するとしている。

 一方、先月末にはファンケルがキリンHDとのシナジー事業について発表。シナジー事業の売上高を5年後までに130億円とする計画を発表している。今回のキリンHDが見込む事業利益を加えると、両社合わせて数百億円規模の事業売上を創出することになる。

 他方、キリングループで進めるヘルスサイエンス事業については、独自素材のプラズマ乳酸菌やKW乳酸菌を用いた事業展開が昨年から進展しているなかで、新たな領域への進出も発表した。グループ傘下で発酵生産技術を持つ協和発酵バイオで進めているヒトミルクオリゴ糖の事業化について、「低コストで生産する技術がある」(磯崎社長)とし、BtoBビジネスでのグローバル展開を実行するとともに、ファンケルを通じてBtoCの展開を予定している。キリンHDによると、ヒトミルクオリゴ糖のグローバルの市場規模は30年までに1800億円に達する見込みだとし、キリンは27年までに100億円の売上を達成させたい考えだ。


Clip to Evernote

ページトップ