トクホ市場規模 19年度6493億円で横ばい (2020.4.9)


 特定保健用食品(トクホ)の2019年度市場規模は前年度比1%増の6493億円とほぼ横ばいだった。日本健康・栄養食品協会がトクホ許可取得企業152社1071品目を対象にアンケート調査を実施し、4月1日に発表した。古いデータだが、消費者庁の調べによると、許可を受けたトクホの販売件数は2016年9月27日時点で366件にとどまる。

 また、19年1月から12月の1年間に表示許可を受けたトクホの件数は32品目と3年連続で減少した。機能性表示食品制度の施行直後の16年度は95件が許可を受けていたが、およそ3割にまで落ち込む格好となった。

 日健栄協によると、調査で売上見込み額の詳しい情報を得られなかった品目については、ヒアリングや販売統計などに基づき推定しながら市場規模を算出した。日健栄協はトクホ市場規模調査を1997年度から2013年度までは隔年、13年度以降は毎年実施している。

 日健栄協の調べによると、トクホ市場規模は07年度の6798億円をピークに11年度は5175億円まで落ち込んだものの、13年度に6275億円まで回復。以降は、機能性表示食品制度が施行された中でも6100億円~6500億円台で微減微増を繰り返している。調査初年度の1997年の市場規模は1315億円だった。

 19年度市場規模の内訳をヘルスクレームカテゴリー別に見ると、最も市場規模が大きかったのは「整腸」で3863.5億円。市場全体に対して59.5%の過半数を占める状況が続いた。前年度比は101.8%の微増。このうち、16年度以降増加が続いていた食物繊維の市場規模は302.1億円となり、同144.9%と大幅に増加した。調査開始以来最大の市場規模を記録したという。

 次いで、「中性脂肪・体脂肪」が24.4%、「歯・肌」が4.4%と続いた。中性脂肪・体脂肪は17年度に過去最高の市場規模(1986.8億円)を記録していたものの、18年度に大幅減少(1518億円)。19年度は1582億円となり、前年度比約4%増加した。歯・肌は288.5億円で前年度比は101.6%の微増だったという。

 肌については2019年1月からオルビスが肌の保湿機能を訴求するトクホを販売。同社によると、同品の売上高は20年1月31日時点で約29億円(約115万個)に達しており、当初販売計画を上回るペースで売上を伸ばしている。

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