DgS3月売上 明暗分かれる(2020.4.23)


 ドラッッグストア売上高上位企業10社の3月の月次報告がこのほど出揃った。2月の既存店売上高は各社軒並み対前年プラスを計上していたが、3月はマイナスに転じるDgSが出始めた。訪日客が減少し始めた2月は、インバウンド需要の大幅な減少分を、新型コロナウイルス感染拡大によってマスクや紙製品などの急激な需要がカバーしたとみられている。インバウンド需要を取り込むことを想定した都市型店舗に注力してきたDgSが苦戦しているようだ。

 業界首位のツルハホールディングスは、2月の対前年比7.1%増から3月は同14.5%増と引き続き好調さを見せている。2位のウエルシアホールディングスも、2月の同20.6%増から同6.1%と1ケタの伸び率だが、堅調な売上で推移している。

 北関東を地盤にするカワチ薬品や、北陸のクスリのアオキホールディングスも売上を伸ばしている。カワチは2月の同4.5%増から3月は同13.4%増。クスリのアオキは同12.2%増から同17.2%増とそれぞれ売上を伸ばした。

 他方で、苦戦しているのがインバウンド需要の取り込みに注力してきたマツモトキヨシホールディングス。2月は、他社に比べれば伸び率は低い同8%だったとはいえプラスをキープしていたが、3月は一転し、同10.6%減の2ケタ減と落ち込んだ。上位10社のなかでは最も減少幅が大きかった。同様にインバウンドに力を入れるココカラファインも2月の同9.9%増から、3月は同6.9%減となった。

 売上高4位のサンドラッグは、インバウンド減速を理由に一部店舗の臨時休業に踏み切った。新型コロナの影響を受けた「インバウンド需要の急激な減速」を理由として、東京、大阪、兵庫、京都、奈良、北海道の5都道府県の計29店舗での臨時休業を今月17日に発表した。5月1日から当面の間休業するという。

 サンドラッグの月次報告によると、2月のドラッグストア事業の既存店売上伸び率は対前年同月比で15.1%増の2ケタの伸びを示したが、3月は2.8%減と落ち込んでいた。

 インバウンド需要の落ち込みを健康食品業界はどう捉えるか。訪日客目線で展開してきた販売プロモーションを、国内の消費者向けに転換させることなども今後必要になりそうだ。政府の緊急事態宣言を受け、店舗の臨時休業や営業時間短縮を実施するDgSも増えている。新たな事業展開を早急に打ち出す必要に迫られている。


Clip to Evernote

ページトップ