「肌弾力」徐々に増加 保湿一辺倒近く脱却か (2020.6.11)

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 「弾力」「肌の健康」をヘルスクレームに盛り込んだ機能性表示食品の届出が徐々に出てきた。「保湿」一辺倒とも言えた肌領域の機能性表示食品だが、ここにきて潮目が変わりつつあるようだ。肌弾力に対する機能性を訴求する製品の届出が今年3月に公開されたのに続き、第2弾となる届出が5月25日の届出情報更新で公開された。

 肌領域のうち「弾力」カテゴリーの機能性表示食品の第1弾は江崎グリコによる。届け出たヘルスクレームは「肌の水分量(潤い)と弾力性の低下を抑え、肌の健康に役立つ機能が報告されています」で、機能性関与成分はコラーゲンペプチド(魚由来低分子)。肌の保湿(潤い)と同時に弾力低下抑制機能を訴求した上で「肌の健康に役立つ」とまとめる意欲的なものだった。

 一方、先月25日公開されたばかりの第2弾届出の機能性関与成分はGABAだった。ヘルスクレームは「肌の弾力を維持し、肌の健康を守るのを助ける機能があることが報告されています。肌の乾燥が気になる方に適しています」

 研究レビューで採用した文献が乾燥する時期に試験されたものだったためか、「肌の乾燥が気になる方~」としているものの、訴求する機能はあくまでも「肌弾力の維持」「肌の健康を守るのを助ける」だろう。この2つをセットにしたヘルスクレームを行う届出が続くことになった。

 GABAを機能性関与成分にした届出は非常に多く、290件に迫っている。だが、肌に対する機能性を直接訴求する届出は初。GABAの原材料販売を手掛ける三和酒類がサプリメント(ハードカプセル)で届け出た。届出製品名は『リフティングGABA』

 GABAは、機能性関与成分として精神的ストレスや睡眠の質に対する機能性を訴求する届出が多く行われている。そのなかで三和酒類は今回届け出た表示する機能性の作用機序について、「自律神経系への関与や睡眠の質改善(間接的作用)、皮膚の真皮構成成分であるヒアルロン酸やコラーゲン、エラスチンの産生促進など(直接的作用)により、肌の弾力維持に役立つものと考えられる」と考察。GABAによる肌弾力維持機能の背景には、GABAの機能性である精神状態や睡眠の質の改善が関わっていると考察した格好だ。

【写真=「肌の健康」、消費者の反応いかに】

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