日健栄協、下田理事長が退任 5期10年 新理事長に元厚労健康局長の矢島氏 前理事長の流れ(2020.7.6)


 日本健康・栄養食品協会の下田智久理事長が3日、退任し、5期10年にわたる日健栄協としては異例の長期トップ体制が終わりを告げた。

 新理事長には矢島鉄也氏(65)が同日就任した。前理事長と同じ、元厚生労働省健康局長。日健栄協によると、非常勤で理事長職を務める。そのため、新体制下での常勤理事は、事務局長も兼務する青山充常務理事のみとなる。前理事長を強力に支えた青山氏が今後、日健栄協の実権を持つ可能性も考えられそうだ。

 下田前理事長の理事長就任は2010年7月。日健栄協の理事長職は学識経験者が歴任してきたなかで、元厚労局長の就任は大きく注目された。新理事長も、前理事長と同じ流れを汲む元厚労局長であり、業界からは「元局長が(日健栄協)理事長に収まる流れが整えられた」との見方も上がる。

 新理事長に就任した矢島鉄也氏は、1982年3月千葉大学医学部卒業後、同年4月厚労省入省。その後、福井県厚生部保健予防課長、保健局医療課企画官、健康局総務課生活習慣病対策室長、大臣官房厚生科学課長などを務めた後、2012年9月に健康局長就任。翌13年7月に退官し、千葉県病院事業管理者(病院局長)、厚労省参与を務めた。

 日健栄協によると、矢島新理事長は厚労省在職中に特定健診・保健指導の制度設計と健康日本21(第2次)を担当したという。ただ、健康食品行政に携わった経験はないとみられる。

 下田前理事長は、理事長就任当初は非常勤だった。矢島新理事長も非常勤だが、前理事長と同様に一定の期間を置いてから常勤の理事長に移行するかは今のところ不明。日健栄協は、新理事長の就任コメントなどを6日夕時点で出していない。

 下田前理事長の今後についても不明だ。ただ、先ごろ消費者庁らが認定した特定保健用食品の公正競争規約にかかわる公正取引協議会の初代会長に就任する可能性を憶測する声えが、業界内から上がっている。

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