消費者庁 表示違反を未然防止 業界団体の相談窓口(2020.7.9)

02事後チェック指針 会場の様子① 02事後チェック指針 田中特命室長⑤

 消費者庁に7月1日、「ヘルスケア表示指導室」が新設された。景品表示法などを所管する表示対策課内に置かれたもの。機能性表示食品など保健機能食品、一般健康食品のいわゆるヘルスケア領域食品を中心に、表示・広告に関する指導、監視を手掛ける。表示の健全化に向けて取り組む業界団体の相談窓口としても機能させる。

 ヘルスケア表示指導室の室長には、同庁表示対策課・前機能性表示食品特命室長の田中誠氏が就任した。当初の定員は室長を含めて4名。田中氏がほぼ一人で担っていた機能性表示食品特命室の業務に組織で対応していく形だ。

 表示対策課内の「室」は他にもあり、以前から食品表示対策室が置かれている。新設されたヘルスケア表示指導室と食品表示対策室の業務のすみ分けについては、表示対策室は食品表示全般に対する法執行を担当するのに対し、表示指導室はヘルスケア領域食品の表示に関する指導を主に担い、表示・広告に関する法令違反の「未然防止」を主要業務とする。

 消費者庁がヘルスケア表示指導室を立ち上げた背景には、機能性表示食品の事後チェック指針の運用開始、それに関連して業界4団体が立ち上げた第三者民間機関、特定保健用食品の表示に関する公正競争規約(業界自主ルール)の認定──といった保健機能食品を巡る直近の新たな動きがある。

 これらは業界団体、事業者が主体となって取り組むもの。機能性表示食品の公正競争規約についても、現在、健康食品産業協議会と日本通信販売協会ら業界団体が密に連携する形で策定に向けた作業を進めている。

 同庁は、こうした動きを支援する目的でヘルスケア表示指導室を立ち上げた。「業界が一つになって、良い方向に向かおうとしている。広告についても、(景表法等に触れることなく)しっかりやりたいと(多くの事業者が)考えている。そうした動きに対し、しっかり相談できる組織が(行政側に)あったほうがいい」と田中室長は話す。

 一方、ヘルスケア表示指導室の新設は、ヘルスケア食品の表示に関する法令違反を未然に防ぐ観点から、監視の目が強化されることも意味しそうだ。

 特に、一般健康食品を巡っては、「こずるくやれる世界があってはならない」と田中室長は厳しい認識。現在も定期的に行われているインターネット上の広告監視を通じた表示改善指導などが強化されていくとみられ、広告表示に行き過ぎがあれば、法執行を担当する本課(表示対策課)と連携しながら対応に乗り出すことになりそうだ。

 また、機能性表示食品についても、今年4月1日から運用が始まった事後チェック指針に基づき、公開された届出の内容を確認し、エビデンスなどに疑義があれば、「販売開始前」に届出者に指摘していく姿勢を示している。

【写真=表示適正化に向けて業界との関係を深めてきた消費者庁表示対策課・田中誠氏(写真右)が初代室長に就任。会場写真は、田中氏の講演に注目が集まった、機能性表示食品の事後チェック指針をテーマにした業界5団体合同イベントの様子(今年1月28日、都内)】


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