個別審査型JHFAとは認定対象拡大 有効性も審査(2020.7.23)


 日本健康・栄養食品協会が今年度からの新規事業として始める「個別審査型JHFA制度」の概要が分かった。認定対象をJHFA規格基準が設定されていない個別製品にまで広げ、従来の規格基準型JHFAにおける製品品質審査に加え、安全性、有効性についても審査を行った上で認定する仕組み。有効性に関しては2段階の認定基準を設ける。そのため個別認定型JHFAには2種類の認定マークが用意される。

 日健栄協が7月10日に開いた「メディア懇談会」。協会でJHFA認定制度を担当する健康食品部が明らかにした。

 既存の規格基準型JHFA認定制度の認定対象は、あらかじめ日健栄協で規格基準を定めた素材・成分を主に配合した健康食品。製品品質審査の上で認定し、「品質規格合格品」の文言付きの認定マークを付与する。現在、グルコサミンやプラセンタなど69素材群にJHFA規格基準が設定されている。

 これに対し、JHFA認定制度の新たな枠組みとなる個別審査型では、製品品質審査に加えて安全性、有効性についても審査した上で認定する。また、JHFA規格基準が設定されていない素材を配合した個別の健康食品にまで認定対象を広げる。これにより、「JHFAの普及を図り、健康食品の信頼性向上に努める」(日健栄協)狙いだ。

 日健栄協は個別審査型JHFAに、審査対象となる有効性情報(科学的根拠情報)のレベルに応じた「2段階認定」の仕組みを設けることにした。日健栄協の健康食品部によると、審査で「有効性がヒト試験等で認められている」と判断されたものについては、「健康機能性品質合格品」の文言が付いた個別審査型JHFA認定マークを与える。また、認定文言として、「この製品は健康の維持・増進に役立つ科学的情報と製品品質について日本健康・栄養食品協会が審査して合格した製品です」の表示も可能とする。

 一方、「健康機能性品質合格品」の枠組みから外れる個別審査型JHFAは、「個別認定品質合格品」として、現行の規格基準型JHFAと類似の認定文言である「この製品は、品質について、品質規格、製造・加工、表示等を日本健康・栄養食品協会が審査して合格した製品です」の表示を可能にするという。

 日健栄協は、個別審査型JHFAの申請受付を今年9月から開始する予定。申請品目としては、特定保健用食品の表示許可を申請したり、機能性表示食品として届け出たりする段階に至っていないものの、製造・品質管理が適切に行われている健康食品が想定されている。ただ、健康食品部では、機能性表示食品も認定対象から除外しない姿勢を示す。「機能性表示食品の商品パッケージに個別認定型JHFAマークを表示することもできる」としている。

 JHFAマークは、消費者認知度が一向に高まらないこともあり、業界内ですら必要性が疑問視されてきた。そのなかで、有効性までも審査対象とした上で認定マークに「合格」の文言が含まれる個別審査型JHFAを業界はどう受け止めるのか──JHFA認定制度のブレイクスルーにつながるか注目だ。



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