国産β-アラニン供給開始 有機合成薬品が直接参入(2020.8.6)


 有機合成薬品工業(東京都中央区)が、β‐アラニンの供給を日本国内で本格化する。同社は以前から国内自社工場でβ‐アラニンを生産していたが、供給先は米国など海外市場のみだった。国内需要の高まりも受けて、世界で唯一の日本国産β‐アラニンを国内市場に投入する。

 同社製のβ‐アラニンは、これまで米国を中心とする海外市場でサプリメントに利用されてきた。日本でもサプリメントなど食品素材として利用できる環境が整うとともに、それに応じた需要の高まりを受け、同社単独での市場参入を決定。

 同社は、品質の高さと海外での販売実績をテコに、日本市場の開拓を進める構え。サンプルワークを今夏から開始。さらに、顧客にβ‐アラニンの理解を深めてもらうため、積極的な情報配信を行い、各社の商品開発に貢献する考えがある。

 β‐アラニンはアミノ酸の一種。筋肉組織の保護、筋肉の疲労回復時間の短縮、無酸素運動能力の向上、といった機能性が報告されている。米国市場では、ボディビルダーやジムワーカーといったアスリートからの需要がある。日本でも、食薬区分の「専ら非医薬品」リストに新規収載されたのを機に、注目を集めるようになった成分。

 日本国内向けにβ‐アラニンを供給するにあたり、同社は、アスリートだけではなく、一般生活者向けへの需要も喚起したい考え。筋力低下や身体機能が低下し、寝たきりにつながる可能性もある「サルコペニア」対策などの面からもβ‐アラニンの需要は高まりそうだと、同社は推測。国内ユーザーに情報発信を強化していく方針だ。


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