「免疫機能の維持に役立つ」届出公開 機能性表示食品 キリンG、乳酸菌を関与成分に(2020.8.11)


 機能性表示食品の届出情報更新で7日、免疫機能に対する働きを訴求するサプリメント等の届出が公開された。乳酸菌を機能性関与成分とするもので、「健康な人の免疫機能の維持に役立つことが報告されています」と表示する。これまで、日本では免疫をめぐる食品機能表示は不可能とさえ考えられてきたが、政府が今年3月に閣議決定した「健康・医療戦略」(第2期)が流れを大きく変えた。

 免疫機能を巡る機能性表示食品の初の届出者となったのはキリングループ。キリンホールディングスがサプリメント2製品、キリンビバレッジが清涼飲料水3製品の計5製品の届出を行い、7日、一斉に公開された。

 機能性関与成分は、5製品とも、同グループの独自乳酸菌である「プラズマ乳酸菌」。いずれも製品名には、同グループのヘルスケア食品ブランド『Imuse』(イミューズ)の名称が掲げられた。届出資料によると、発売日は、サプリ2製品が今年11月1日、清涼飲料水3製品が同24日とされている。

 表示する機能性は5製品とも同じ。「本品には、プラズマ乳酸菌(L. lactis strain Plasma)が含まれます。プラズマ乳酸菌はpDC(プラズマサイトイド樹状細胞)に働きかけ、健康な人の免疫機能の維持に役立つことが報告されています」と表示する。

 5製品とも届出前に日本抗加齢協会による確認が行われた。また、機能性関与成分のシステマティックレビューは、キリンホールディングスで実施した。最終的に6報の文献を採択。CD86などのpDC活性化指標、全身倦怠感や寒気などの全身の自覚症状、くしゃみやのどの痛みなどの特定の部位の自覚症状に対するプラズマ乳酸菌の働きを報告している。

 ヘルスクレームに盛り込まれた「pDC」とは、免疫細胞の一種。人の免疫機構は極めて複雑だが、pDCが活性化すると、インターフェロンが放出されてウイルスなどを攻撃すると考えられている。キリンHDの研究発表によると、プラズマ乳酸菌にはpDCを直接的に活性化する働きがあるという。

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