サプリ摂取率 女性4割、男性3割 (2020.11.12)


 20歳以上でサプリメント形状の健康食品を摂取している人の割合は女性でおよそ4割、男性だと約3割──厚生労働省が昨年11月実施した国民健康・栄養調査でこんな結果がまとまった。同調査に先んじてサプリメントの摂取状況を調べた国の基幹統計調査結果と比べて高い数字が示されたものの、サプリメントを摂取している人の割合はまだまだ低いことがうかがわれる。需要を掘り起こす余地が十分残されていることになる。

基幹統計調査では女性3割
 厚労省は10月27日に2019年国民健康・栄養調査の結果概要を公表した。「サプリメントのような健康食品(健康の維持・増進に役立つといわれる成分を含む、錠剤、カプセル、粉末状、液状などに加工された食品)を食べたり、飲んだりしていますか」と尋ねる設問を調査項目に盛り込んでいた。

 健康増進法に基づき厚労省が毎年実施している国民健康・栄養調査でサプリメントの摂取状況を調べたのは今回が初。また、国の基幹統計調査の一つで、厚労省が担当する国民生活基礎調査でも、昨年6月に実施した大規模調査でサプリメント形状の食品の摂取割合を調べる設問を新設していた。国として国民のサプリメント利用実態を把握しようとしている様子が窺われる。

 2019年国民健康・栄養調査結果概要によると、20歳以上でサプリメントを摂取している人の割合は、男性30.2%、女性38.2%と女性が男性を上回った。

 一方、6歳以上を調査対象にした2019年国民生活基礎調査(今年7月に結果公表)では、サプリメントを摂取している人の割合は男性21.7%、女性28.3%だった。女性の摂取割合が男性を上回った点は変わらないが、国民健康・栄養調査と比べてそれぞれ10ポイント前後少なかった。

 性・年齢階級別のサプリメント摂取状況を見ると、国民健康・栄養調査では女性60~69歳が41.1%で最多だった。ただ、女性50~59歳も41.0%と大差がなく、50~69歳の摂取率が高かった。一方、国民生活基礎調査では女性50~59歳が37.6%で最多だった。男性については、国民健康・栄養調査、国民生活基礎調査ともに60~69歳が最多で、それぞれ34.1%、28.1%となった。

 国民健康・栄養調査では「サプリメントを摂取する目的」も複数回答で尋ねている。結果は、「健康の保持・増進」と回答した人の割合が多かった。60~69歳男性は80.7%、同女性74.2%に上った。

 ただ、例外もあり、20代男性は「たんぱく質の補充」、20代女性では「ビタミンの補充」と回答した人の割合が最も高く、若い世代はサプリメントを摂取する目的が他の世代と異なる様子がうかがわれる結果となった。

ビタミンD、目安量未達多く
 厚生労働省が10月27日公表した2019年国民・健康・栄養調査結果概要に「参考」として提示された「栄養素・食品群別摂取量に関する状況」(1人1日当たり平均値)によると、ビタミンDの摂取量が多くの世代で「日本人の食事摂取基準2020年版」に定められた目安量に届いていなかった。

 日本人の食事摂取基準はビタミンDの目安量を、18歳以上は男女とも8.5マイクロ㌘に設定している。ただ、目安量を充足していたのは、男性では70~79歳の10.9マイクロ㌘、80歳以上の8.6マイクロ㌘、女性だと70~79歳の9.0マイクロ㌘にとどまった。特に20代女性は4.6マイクロ㌘と5マイクロ㌘を下回った。

 ビタミンCについても同様だった。食事摂取基準に定められた100㌘の推奨量(12歳以上男女)に届いていたのは、60歳以上の男女のみで、15~59歳は男女とも全ての世代で下回った。20歳代は男女とも62㍉㌘にとどまり、成人世代ではもっとも少なかった。

 食物繊維も、食事摂取基準の目安量を下回る世代が目立ち、男女とも20~59歳で目安量(男性20㌘、女性18㌘)を下回った。

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