常磐植物化学 マウンテンハーブを素材化 (2020.11.12)

4面_マウンテンハーブを機能性食品素材に_差し替え②

 地中海周辺の標高1000㍍以上の高地に自生するマウンテンハーブを原料にしたサプリメント・健康食品素材を常磐植物化学研究所(千葉県佐倉市)が新たに開発した。マウンテンハーブに含まれる8‐ヒドロキシフラボン配糖体を規格化したエキス末を開発したもので、同社で実施した基礎研究では、美容機能から抗アレルギー機能まで幅広い働きを持つ可能性が示唆されている。

 マウンテンハーブは、ムルサルスキーとも呼ばれるシソ科植物。欧州ではハーブティーなどに利用されており、食経験がある。日本では、厚生労働省が2018年4月に行った食薬区分一部改正で専ら非医薬品リストに収載された。収載名称には学名の「シデリティス・スカルディカ」が採用されており、現在の使用可能部位は茎・葉・花となっている。

 同社が新たに開発したのは「マウンテンハーブエキス」。同素材の機能性を探るために同社で行ったイン・ビトロ試験では、血圧降下(ACE阻害)▽抗糖化(AGEs生成抑制)▽抗酸化▽コラゲナーゼ阻害▽抗アレルギー(脱顆粒抑制)──といった機能を持つ可能性が見いだされたという。

 今後、顧客の声や市場動向を踏まえながら、訴求機能を絞っていきたい考え。その上で、動物試験やヒト試験に駒を進め、科学的根拠を積み上げる。

 マウンテンハーブをサプリメント・健康食品向けにエキス化したのは同社が初とみられる。近く、本生産に乗り出し、年内に販売を始める計画だ。

【写真=新製品の起原原料となるマウンテンハーブ】

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