カネカ 還元型CoQ10で差別化 (2021.1.28)

カネカ_商品② カネカ_田中社長③

【写真=左:新発売した機能性ヨーグルト。2024年に売上高30億円を目指す 右:新商品の発表会に登壇したカネカ田中社長】
 
 カネカ(東京都港区)は1月25日、独自のサプリメント素材、還元型コエンザイムQ10を配合したヨーグルト『わたしのチカラ Q10ヨーグルト』(=写真)を新発売した。グループ会社のカネカ食品を通じ、全国のスーパーマーケット、コンビニエンスストア、ドラッグストア、オンラインショップなどで販売する。

 初年度に10億円、2024年に30億円の売上高を目指す。一部の市場調査会社の調べで、近年のヨーグルト市場は縮小傾向を見せていたものの、新型コロナ禍の20年は拡大に転じた。消費者の健康意識が高まるなかで、消費者認知度も高いCoQ10の配合をすることで差別化を図り、追い風の吹くヨーグルト市場で一定のシェア獲得を狙いたい考えだ。

 新発売した機能性ヨーグルトは、還元型CoQ10はじめビフィズス菌のほか3種類の乳酸菌を配合したもの。価格は138円(税別)。機能性表示食品ではないが、将来的には、機能性表示食品として展開することが視野にあるとみられる。同社が1月18日に開催した新商品発表会で同社幹部は「(届出について)検討しているが具体的には未定」などとコメントした。

 カネカは、2018年にスペインの乳酸菌企業AB‐Bioticsの一部株式を取得し、同社製品について北米と日本での独占販売に関するライセンス契約を締結。

 さらに、同年にベルギーの企業と技術提携し乳製品事業に参入。19年にヨーグルトを発売していた。

 新商品に配合したのはABB社の乳酸菌ではないとされるが、新商品発表会で挨拶に立ったカネカの田中稔社長は、「これら(ABB社の)乳酸菌と、カネカが保有するサプリメント素材と乳製品を組み合わせて市場に届け、世界の人々の健康に貢献する」と語り、還元型CoQ10や乳酸菌をはじめとした機能性素材を付加した乳製品のグローバルな市場開拓に意欲を示した。

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