健康食品の摂取目的 コロナ禍で「免疫」に関心 (2021.4.8)


年配層に加え男性若年層
 健康食品の摂取目的として、「免疫力の向上」が新型コロナウイルス禍で高まっているとする消費者アンケート調査結果を、矢野経済研究所(東京都中野区)が3月25日公表した。

 男性若年層および年配層、女性年配層でそれぞれ2割を超える結果が出たという。
 調査は昨年12月に実施。20~60代以上男女1200名(各年代200名、男女600名)を対象にインターネットで行った。

 健康食品の摂取目的を尋ねた設問(複数回答)で「免疫力の向上」が上位3位内に入った性別・年代を見ると、男性20~30代が20.5%(3位)、同60代以上が24%(同)、女性60代以上が24.5%(2位)とそれぞれ20%を超えた。年配層は順当と言えそうだが、男性若年層が上位に入ったのは意外かもしれない。

 摂取目的のトップは、各性別・年代とも「健康維持・増進」だった。
 ただ、男性20~30代は異なり、「疲労回復、滋養強壮」が1位。「健康維持・増進」は4%差で2位だった。

支出額 性別・年代で開き
 調査ではこの他、健康食品の1カ月あたり支出額なども尋ねており、最高額は女性60代以上の4170円、最低額は20~30代男性の2655円と、約1500円の差があった。

 男女とも、年代が高まるにつれ支出額の増える傾向が見られる。ただ、男性60代以上は3108円と、女性の同年代と比べて1000円近い開きがあった。
 女性20~30代は2930円で、同40~50代の2958円と大差なかった。

骨の健康維持にも関心
 また、機能性表示食品のヘルスクレーム(届出表示)への関心を複数回答で尋ねた設問では、男性は各年代とも「おなかの脂肪・体重減少」が3割を超えてトップだった。

 他方、女性では回答がバラつき、20~30代は「腸内環境の改善、便通改善、整腸」がトップ。40~50代は「おながの脂肪・体重減少」、60代以上は「骨の健康維持、丈夫な骨の維持」がそれぞれトップだった。

 骨の健康維持増進を巡り、業界では、「体感性」がネックになるとして、市場性を低く見がちだが、高齢者女性に一定の需要のあることが窺われる。

「機能性」摂取意向は?
 一方、機能性表示食品の摂取意向を尋ねた設問で、「積極的に摂取」を選んだ人は多くなかった。女性60代以上では8.5%にとどまった。同40~50代は9%、男性60代以上も9%と一ケタ台だった。他方、20~30代は男女とも20%を超え、男性は26.5%、女性は21%だった。

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