消費者庁 「機能性」届出確認を効率化 (2021.8.12)

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 消費者庁が機能性表示食品の届出確認の効率化に向けた取り組みを推進する。これにより、前提条件付きだが、届出資料の提出から公開、あるいは差し戻しまでの期間が、さらに短縮化される。これまで同庁が全面的に担ってきた届出資料の形式確認の負担軽減につなげる狙いがあると同時に、届出資料の確認主体を、行政から段階的に切り離していく目的もありそうだ。

 消費者庁は8月4日付で同庁食品表示企画課長通知を発出。機能性表示食品の届出ガイドライン(GL)に則した「事前確認」を適切に実施できる体制が構築されていることを同庁が確認した「団体」による事前確認の上で届け出されたものについては、不備がない場合、届出資料が提出された日から「30日を超えない期間」で公表することを目標にした制度運用を開始することを明らかにした。

 これまで、届出に不備がない場合、「50日を超えない期間」で公表することを目標にした運用を進めてきた。不備があった場合も50日以内に差し戻すようにしている。それを、団体の事前確認を経た届出に関しては、20日間短縮し、再届出の場合と同じ30日以内で対応できる運用に改めるという。

 届出の「事前確認」を適切に実施できる体制が構築されていることを消費者庁が確認した「団体」とは具体的にどこか。同庁では、8月4日時点で「日本抗加齢協会」と「日本健康・栄養食品協会」の2団体を挙げている。もっとも、事前確認が行われた届出についても、GLにのっとっているかどうかの形式確認を同庁で行うという。

 両団体は以前から届出の事前点検サービスを手掛けている。現行の届出資料には、「(事業者団体等の確認を経た届出である場合)確認を行った事業者団体等の名称」を記す欄がある。これまでの確認件数としては、日健栄協よりも日本抗加齢協会の方が顕著に多いとみられている。

 消費者庁では、30日以内にとどまらないさらなる期間短縮を進め、一層の効率化を図りたい意向を示している。同庁の伊藤長官は今月4日の定例会見で、「どの程度チェックがきちんとできているかとか、そういった状況も見ながらですけれども、できればもっと短縮できるように努力をしたい」と述べた。

Q&Aを一部改正
 ただ、届出資料の提出から公表(あるいは差し戻し)までの期間は、機能性表示食品制度の施行当初と比較すれば、現時点で大幅に短縮化されている。消費者庁の調べによれば、今年に入ってからは、50日以内での公表を目標としているところ、40日間を大きく下回る月が複数あった。「事前確認30日以内ルール」を導入することで、そこからさらに日数を短縮化できるのかどうかが焦点になりそうだ。

 新たに取り組む届出確認の効率化に伴い、消費者庁は8月4日、機能性表示食品の質疑応答集(Q&A)を一部改正した。改正したのは、既存の問39及び問123で、同2団体による事前確認を受けた届出の目標公表期間を追記するなどした。新旧対照表を同庁ホームページ内で確認できる。

【写真=届出確認の効率化を進めることを伝える消費者庁通知】



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