13年度 トクホ市場6275億円に回復 日健栄協調査(2014.4.10)


 日本健康・栄養食品協会は1日、2013年度の特定保健用食品(トクホ)市場規模が6275億円(メーカー希望小売価格ベース)と、前回(2011年度)比21.3%(1100億円)の大幅増だったと発表した。トクホの市場規模が前回を上回るのは、市場がピークに達した07年度(6798億円)以来。07年度の数字には届かなかったものの、09年度(5494億円)、11年度(5175億円)を上回り、市場の回復ぶりが鮮明になった。

 同調査は97年から隔年実施しており、今回はトクホ許可取得全企業(13年末現在191社、1095品)にアンケートを依頼、回収率は95.8%(180社、1073品)だった。

 保険用途別では、整腸(オリゴ糖・乳酸菌・食物繊維)が3796億円(前回比30.9%増)、中性脂肪・体脂肪が1405億円(同26.8%増)と2ケタ増。一方、コレステロールは224億円(同9.9%減)、歯が272億円(同16.4%減)と減少した。コレステロールは全体の市場規模が縮小した09、11年度でも伸びていたが、13年度は同調査開始後、初めて減少に転じた。

 販路別ではスーパーが2521億円(同23.9%増)、コンビニが888億円(同27.6%増)と2割以上伸びたほか、ドラッグ・薬局は662億円(同115.6%増)と倍増。このほか、戸配は1502億円(5.5%減)とわずかに減少、通信販売は179億円(同10.5%増)と伸びたが、市場構成比では前回(3.1%)を下回る2.9%にとどまった。

 種類別では清涼飲料水が1797億円で4割以上伸びた。茶系飲料や話題となった炭酸トクホなどが貢献したものとみられる。また全体の5割強を占める乳製品は3635億円と3割弱伸びた。既存商品の伸長や、新商品が需要の掘り起こしに寄与したとみられる。

 12、13年度の許可・承認数は合計112品。保険用途別では中性脂肪・体脂肪が33品、血糖値が26品、整腸が22品あった。消費者庁発足後は伸び悩んでいたが、13年度は12年度をわずかに上回り、底入れの兆しがみられる。日健栄協によれば、同協会が行っているトクホの申請相談業務に事業者からの問合せが増えており、特に規格基準型など、審査が簡素化され許可を得やすい製品の申請相談が比較的多く寄せられているようで、市場規模拡大とともに、事業者のトクホ開発意欲も回復傾向にあることが見受けられる。

 なお、日健栄協は今後、毎年調査を検討する。


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