供給準備着手 PQQ、トランスレスベなど 厚労省通知受け(2014.4.10)


 昨年7月の食薬区分改正で非医薬品に新規収載された「PQQ」など化学物質等5成分について、厚生労働省医薬食品局食品安全部基準審査課が食品衛生法上の取り扱いに関する課長通知を3月14日に発出したのを受け、これら成分の食薬区分を同省に照会していた原料事業者の一部が本格供給に向けた準備を進めている。

 5成分は、「ピロロキノリンキノン二ナトリウム」(PQQ)、「コリン安定化オルトケイ酸」、「トランス(Trans)‐レスベラトロール」、「オロト酸(フリー体、カリウム塩、マグネシウム塩に限る)」、「5‐アミノレブリン酸」(ALA)。

 これら成分を輸入・販売・製造しようとする事業者に対し同省は、使用目的、食経験などの資料を同省基準審査課添加物係に提出し、食品添加物に該当するか否かの判断を個別に受けるよう求めている。食品添加物ではないと判断されれば、事業者責任で食品として販売できるようになる。

 脳機能対応のサプリメント原料として米国で利用されているPQQを照会していた三菱ガス化学では、「最終確認を進めているところ。過去の例を踏まえれば、(食品として販売可能になるまでに)時間はかからないのではないか」と3月24日にコメント。また、中国産PQQを化粧品原料として現在供給しているMARUEIグループが今後、食品としても販売していきたい構え。ほかに、フィトファーマでも現在、食用としての原料供給を検討しているようだ。

 一方、トランスレスベラトロールについてはDSMニュートリションジャパンが供給に乗り出すと見られる。99%含有するDSMの「レスヴィダ」は海外市場で採用実績が高く、臨床試験データも多い。ブドウ由来レスベとの組み合わせなどで採用が進む可能性が高い。同成分に関してはまた、海外で多く利用されているイタドリ根部(日本では医薬)から高濃度に抽出した原料について、厚労省がどう判断するのかも注目される。

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