問合せ対応など義務づけ 製造所固有記号見直し案 消費者庁(2014.4.24)

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 消費者庁は、加工食品などで認めている製造所固有記号制度を改正し、消費者の問合せに応じ、所在地情報の提供を事業者に義務づけることや、原則2つ以上の工場で製造する商品のみに利用を制限するなどの案をまとめた。消費者への情報提供は、電話による問合せ、自社ホームページへの掲載、製品にすべての製造所を記載するかのいずれか選択できる。同庁案はこのほか、消費者が検索可能な新たなデータベースの構築や、同データベース作成のため、現行の固有記号を一定期間後にすべて廃止し、改めて届出ることや、固有記号に有効期間を設定する。

 食品衛生法は製造所の所在地等の表示を義務付けている。これは食中毒など衛生上の問題が発生した場合、都道府県などが危害防止のため速やかに対応できることを目的にしたもので、いわば行政目的のための表示。製造所固有記号は、事業者があらかじめ消費者庁に届出ることで例外的に認めているという位置づけだが、昨年発生した冷凍食品の農薬混入事件では消費者への情報提供が遅れ、制度の見直し機運が高まっていた。

 ただ、制度を廃止した場合、包装コストに跳ね返る恐れがあるなどデメリットも多い。また、製造所の所在地等の表示が消費者にとって日常的に必要な表示とも言い難い。日本生協連によると、食品表示に関する問合せで、製造所を知りたいとの問合せは全体の0.09%だという。

 この問題について審議した17日の消費者委員会の調査会では、産業界の委員から慎重な対応を求める意見や、改正の必要性や現状の課題について議論を積み上げたあと、改正点をまとめるべきとの指摘もあり、結論を次回に持ち越した。
【写真=17日開催の消費者委員会食品表示部会「加工食品の表示に関する調査会」】

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