緑茶乾留エキスを口臭対策で提案強化 白井松新薬(2014.5.8)


 化粧品や医薬部外品の消臭成分として緑茶乾留エキス「フレッシュシライマツ」を供給してきた白井松新薬㈱(東京都中央区)は、同エキスの食品グレードを口臭対策素材として提案強化している。

 食品用エキスは、既存添加物名簿に「チャ乾留物」として収載されているもの。液体と粉末が揃い、同社によれば「これまでに、焼肉チェーン店の食後のエチケットキャンディーに採用された実績もある」という。

 同エキスの試験管試験では、アンモニア、魚の生臭さとされるトリメチルアミン、口臭の原因の一つメチルメルカプタンなどを加えた不快臭がする液体に、同エキス1%濃度水溶液を加えてインドフェノール法やガスクロマトグラフィーで発生したガスを測定。1時間後にはアンモニアを90%以上、トリメチルアミンとメチルメルカプタンを約50%除去した。

 また、餃子を食べた後に同エキス1%または3%を配合したグミキャンディを摂取してもらい臭気を調べた官能試験では、濃度依存的に餃子の臭気が減り、3%では顕著に臭気が低下した。このほかの官能試験では、ニンニク臭やタバコ臭に対しても消臭効果のあることが確認されている。

 同エキスの消臭メカニズムについて、同社では「ポリフェノールが結合してできた3次元構造の内部空孔に、ほかの原子や分子が入り込んで結晶構造を作る包接作用が考えられる」としている。

 同社ではこれら試験データなどで訴求し、緑茶乾留エキスの拡販を図るという。

 「フレッシュシライマツ」は、緑茶に含まれるテルペン類やレジン類、葉緑素を含まない純度の高い消臭成分を取り出す乾留抽出法で抽出されたエキス。安全性も急性毒性や慢性毒性、変異原生などの試験で確認されている。また、同エキスの医薬部外品は薬用石けんやシャンプー、腋臭防止剤などで利用されている。同社では化粧品基材としても提案している。

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