健康寿命の延伸に重点 14年版厚生労働白書(2014.8.7)

厚労省看板&外観ヨコ小

 厚生労働省は1日、2014年版「厚生労働白書」を公表した。今後の高齢化の進展や医療費の負担増を避けるため、「いかに健康で過ごすことのできる期間を長く保つか」という健康寿命の延伸に力点を置き、今年を「健康・予防元年」と位置づけ、関連施策や対応状況、自治体や企業の取組みについて紹介した。

 平均寿命と、健康上の問題で日常生活が制限されることなく生活できる期間を指す健康寿命の差は、男性が約9年、女性が約13年あり、この差が開くと医療費や介護費が増える。白書では、高齢化に伴い今後更なる医療費等の増大が予想されるなか、個人の生活や幸せのためにも、健康寿命を延伸させるとともに平均寿命との差を縮めることが重要だとしている。

 国民の健康を巡る状況については、健康への意識の高まりについて紹介。フィットネスクラブの利用者増、運動特定保健用食品(トクホ)の市場規模が10年で倍増したことや喫煙率の低下などを挙げ、「健康に対する意識は近年高まっていると考えられる」と分析した。一方、同省が実施した「健康意識に関する調査」では、健康に関して何らかの不安を抱く人も約6割に達し、その理由として「体力が衰えてきた」「持病がある」といった回答が多かったことを取り上げた。

 また、生活習慣については、近年の食生活の欧米化などに伴い、生活習慣病の増加が懸念されているなどと指摘。メタボリックシンドローム該当者の年間医療費は、非該当者に比べ9万円高いとの調査結果も紹介し、生活習慣病予防のため、過剰な塩分や脂肪分の摂取を控えることや、野菜・果物の摂取量確保が必要だと指摘。ほかにも適度な運動、ガン検診や健康診断などの受診の必要性を挙げた。

 なお、現行施策の対応状況のうち、食品の安全性確保については、最近の動きとしてコーデックス委員会が提唱しているHACCPに基づく衛生管理の普及推進や、給食の調理施設などで発生し、大規模な食中毒被害につながる可能性があるノロウイルスの防止対策などを紹介した。

 健康食品の安全性確保対策では、原材料の安全性確保や製造工程管理による安全性対策の取組みを紹介したほか、健康被害情報の収集体制の強化、厚生労働科学研究費で行っている効率的な被害情報の収集・解析手法の研究を進める。また、消費者向けにリスクコミュニケーションの実施や、パンフレット作成による健康食品利用の正しい知識の普及啓発に努めるとした。

7割が「自分は健康」と回答

 厚生労働省は今年3月に実施した健康意識調査の結果(みずほ情報総研㈱が委託実施)を公表した。調査は今年の「厚生労働白書」の基礎資料などに用いるために実施されたもので、今年2月に全国の20歳以上の男女5000人を対象に実施、自身の健康状態や生活習慣などについて聞いた。

 普段の健康感について「非常に健康だと思う」「健康な方だと思う」の回答合計は7割を超えた。一方、自身の健康について不安が「ある」との回答も約6割に達し、不安の理由は「体力が衰えてきた」(50%)、「持病がある」(40%)、「ストレスが溜まる・精神的に疲れる」(36%)の順で多かった。

 普段からの健康意識では「健康のために生活習慣には気をつけるようにしている」(37%)が最も多く、次いで「病気にならないように気をつけているが、特に何かをやっているわけではない」(33%)が続いた。自身の健康に出費してもよいと考える金額は1か月平均3908円、実際の出費額は平均3049円だった。

 健康食品やドリンク剤の健康に対する影響について「非常に健康に良い」「ある程度健康に良い」と肯定的な回答合計は59%。健康食品やドリンク剤の摂取については「常用している、よく飲食している」が12%、「時々飲食している」が30%だった。

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