“ココナッツ”用途拡がる 健食、化粧品で利用進む(2014.8.21)

04ココナツとフレークイメージ

 海外セレブやスーパーモデルなどが愛飲していることなどを背景に食用油はじめ健康系飲料、化粧品など幅広い用途で市場が拡大しているココナッツ関連商材。海外での動きに影響され、国内では2~3年前から盛り上がりを見せ始めていたが、ここにきてサプリメント用途での展開が見えつつある。オイルに含有する中鎖脂肪酸の機能性に改めて関心が向けられたかたちだが、ココナッツのイメージの良さも関連し、商品開発が一気に進む様相を呈してきた。

 流通するこれらココナッツ原料は、アブラヤシを原材料とするパーム油とは異なり、ココヤシの実を用いる。パーム油は植物性油脂として加工食品の原材料に用いられ、一方ココナッツ原料は最終製品に使用する部位がそれぞれ異なる。成熟したココナッツの固形胚乳を用いるのがミルクとオイルで、内部の液状胚乳を利用したものが果汁(ウォーター)となる。

 オイルについては、食用油や化粧品など海外輸入品や国内品問わず数多く市場に流通している。

 昨年からココナッツオイル製品の輸入販売を始めたキャナ㈱では、今春より原料販売に乗り出した。主力商材のアマニ油とともに品揃えの一環としての扱いとするが、ダイエット、美容用途で毎月引き合いが増えているという。

 ㈱ファインでは数年前より拡充している海外事業部のネットワークを活かし、東南アジアから直接ココナッツオイルを調達、9月に上市する最終製品に採用した。ドラッグストアを販路に配荷を進め、バイヤーからの反応も良いという。

 一方ココナッツウォーターは、特異的な機能性成分は含有しないが、カリウムが豊富な点を活かし、海外ではスポーツニュートリション分野で提案が進み商品化が相次いでいる。国内では今年に入り、日本コカ・コーラ、森永乳業、キリン・トロピカーナ、カゴメなどが市場に参入、これまで以上の裾野の広がりが見えそうだ。

 各種健康食品原料を展開する㈱サビンサジャパンコーポレーションでは、ココナッツウォータパウダーを化粧品用途でラインナップする。ウォーター素材による飲料向け以外の化粧品用途などで商品化が進めば、オイル素材とともにさらに市場の拡大が望めそうだ。

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