レスベ 筋ジス症に有効か 札幌医科大が臨床開始(2014.9.11)


 レスベラトロールの摂取による筋ジストロフィー症に対する有効性を検証する非ランダム化オープン臨床試験を、札幌医科大学付属病院の研究グループがこのほど開始した。

 筋ジストロフィー症は筋肉萎縮と筋力低下が少しずつ進行していく遺伝性筋疾患で、世界初の臨床研究になるという。研究グループはこれまでに、動物試験で有効性が示唆されることを確認しており、臨床結果に注目する声が業界からも一部であがっている。

 同病院が8月28日に発表した。12歳以上の患者10名を被験者にして行う予定で、研究資金は自己調達。レスベラトロールを160日以上摂取してもらうといい、これにより有効性と適切な摂取量を検討する。

 札幌医科大学医学部薬理学講座の堀尾嘉幸教授らを責任者とする研究グループは、これまでの研究で長寿遺伝子とも呼ばれるサーチュインのうちSIRT1が症状の進行を抑制する可能性を確認。また、レスベラトロールを筋ジストロフィー症モデルマウスに投与すると、筋ジストロフィー症では増加する骨格筋の酸化ストレス量が低下し、骨格筋量を増加させたり、筋力や筋持久力を高めたりすることなどを突き止め、2011年に論文発表していた。

 試験にどのようなレスベラトロールを使用するかは明らかにされていないが、トランスレスベラトロールを高含有するものを使うと見られる。また、投与量については少量からはじめ、段階的に増やしていきながら適切な投与量を確かめる計画だ。

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