機能性表示は「八合目」 森下竜一氏、薬健研で講演(2014.10.23)

薬健研森下氏

 内閣府規制改革会議の森下竜一委員(大阪大学教授)は23日、薬業健康食品研究会主催の勉強会で講演し、同会議が提案した食品の機能性表示について「八合目まで行った。思ったより産業界に使いやすいものになるのではないか」と手応えを伝えた。ただ、積み残した課題も多く、今後も同会議の健康・医療ワーキンググループ(WG)で取り上げる考えを伝えたほか、産業界に対しガイドライン策定に向け、消費者庁と議論を詰めるよう求めた。

 WGでは同制度を重点的フォローアップ事項に挙げ、17日には同庁を呼んで対応方針や考え方についてヒアリングと意見交換を行っている。

 森下氏は17日のWGの中で機能性の根拠論文に病者の論文を含めるか否か議論した点に触れ、「同庁は病者の論文は除くと頑なだが、そもそも病者の定義がはっきりしない。境界域と言っているのもトクホだけ」と語り、病者対象の論文も認めるよう要求していることを明かした。

 また、事前届出制は、受理番号交付から60日後の販売を認める考えを同庁は伝えているが、「同庁のチェックは疾病名の表示がないなど形式的なもの。開始当初は難しいが、行く行くは当日交付もあり得る」と語った。

 機能性の具体的表現は、ガイドラインで一部例示される可能性を示唆したが、「ポジティブリストリストにはならない。表現はあくまで企業の自己責任」と語る一方、「基本は自由ということ。色々な表現ができるのでは」とも語った。これについては産業界と同庁で表示可能な表現を詰めて欲しいとも述べた。

 ビタミンやミネラルなどの栄養成分や成分特定できないエキスについては「早急に検討するよう伝えている」と語った。特にエキスは「漢方のように丸ごと規格化する方法もある」と語った。

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