機能性表示の答申見送る 消費者委員会(2014.12.4)
消費者委員会は2日、消費者庁から諮問があった食品の新たな機能性表示制度の食品表示基準案について審議した。答申案も審議対象になったが、合意を得るまでには至らず、このため同日の答申は見送った。9日に再審議の上、改めて判断する。
同委が最も問題視したのは同制度の法的な位置づけや根拠。同制度は食品表示法4条に定める食品表示基準に規定するが、特定保健用食品が健康増進法26条に規定されているような法的な位置づけがなく、これが法律家の委員を慎重にさせた。特に制度の肝である届出制は「食品表示法4条1項では読み取れない」(石戸谷豊委員)など、法的根拠の脆弱性を指摘。河上正二委員長も「もう少し議論を重ねて、食品表示基準による制度についての実効性を確認した方が、同じ答申を出すにしてもその方が良い」との見解を述べて答申見送りを決めた。
同委は先月4日の会合で、同制度全般については概ね了承との見解を示しており、この日は5項目の付帯意見を付けた答申案の作成まで至っていた。付帯意見でも届出制に対する法的な基盤の補強や整備を求めており、同委がこの部分で強い懸念を抱いていることが窺える。
法的根拠を巡る指摘に対し消費者庁は、「食品表示法が根拠として足りてないとは考えていない」と回答。同法施行後は栄養機能食品も同法が根拠法になると説明し理解を求めたが、法律家の委員を納得させるまでには至らなかった。
同委は9日に再審議して判断を示すが、同委を納得させるだけの説明を同庁ができるかが、最大の焦点になりそうだ。