農水省が手引書などを作成 食総研山本氏が講演(2014.12.8)
農研機構食品総合研究所の山本万里氏は5日、「第29回健康食品セミナー」(NPO健康食品フォーラム主催)で講演し、農産物の機能性表示に向けた農林水産省や同機構の活動を解説した。
山本氏は、骨粗しょう症リスクを低減させるβクリプトキサンチンを含む温州ミカンや、抗アレルギー作用を持つメチル化カテキンを含む緑茶のべにふうきなど、農研機構が行ってきた機能性農産物に関する研究成果について解説。これらの研究は機能性表示制度を想定していなかったが、十分活用できるレベルにあると語った。
また、制度活用に向け、農水省や消費者庁で細部の詰めが行われていることも明かした。このうち、最も対応が難しい機能性関与成分の1日摂取目安あたりの量は、下限値保証が必要であり、現在、4品目について品種や栽培等に関する手引書を農水省が作成中であると語った。また、含有量の誤差の許容について、国民生活センターから、分析で一、二つ程度含有量が下回っても、直ちに違反にはならないとの見解を得ていることも明かした。
さらに、機能性表示の具体的方法についても言及。表示方法は流通実態や販売形態に応じて行うことを想定していると語り、箱で流通、販売する場合は箱に、小分けする場合は機能性を表示した小分け用の袋を予め用意し、それに詰めてもらうなどと語った。