エクオールへの代謝率高く 武庫川女子大など確認(2014.12.8)
糖をはずしたアグリコン型大豆イソフラボンの体内でのエクオールへの代謝率は、配糖体型大豆イソフラボンと比べて2倍以上高く、エクオールを直接摂取する場合と比べて差がほとんどないことを、武庫川女子大学薬学部の研究チームとニチモウバイオティックス㈱が動物試験で明らかにし、6日、発表した。
和歌山で開催された第50回高血圧関連疾患モデル学会で同部の根岸裕子氏が発表した。それぞれをラットに投与し、尿中のエクオール排泄量を調べた。試験で使ったアグリコン型大豆イソフラボンは、ニチモウバイオが製造販売している「アグリマックス」(発酵大豆胚芽抽出物)。比較条件を揃えるために、配糖体型大豆イソフラボンも大豆胚芽を原材料とするものにした。
発表によれば、アグリマックスを投与した群は、エクオールを直接投与した群と比べて、尿中エクオール排泄量に有意な差は認めらなかったという。
「スーパーイソフラボン」などとも呼ばれるエクオールは、腸内細菌のエクオール産生菌が体内に存在しないとイソフラボンから変換されないと言われる。しかし、同社らが今回明らかにした試験結果からは、同菌の有無にかかわらず、イソフラボンの吸収効率を高めることで、エクオールに効率よく変換される可能性が示唆されたと言えそうだ。
同社が過去に米ハーバード大学と共同実施した大規模臨床研究では、アグリマックスを摂取することで、血中エクオール濃度が用量依存的に高まることが確認されていた。被験者は米国人女性。イソフラボンからエクオールを体内で産生できる人の割合は、欧米人で2~3割と少ないなどといわれる。