14年市場規模、8.9%減に 錠剤・カプセル状健食市場(2015.1.8)


 総務省統計局が毎月発表している家計調査では、サプリメントを「健康保持用摂取品」と表現し1995年より収録を開始して以来、昨年までは政官界の指導や業界動向による凹凸を経ながらも市場はほぼ順調に拡大してきたが、14年4月の消費税率引き上げはサプリ市場にも甚大な影響をもたらした。市場規模は前年比91.1%と06年の「アガリクス・ショック」に次ぐ消費減退に見舞われ、7180億円程度に縮小したと推測される。

 健康産業流通新聞は家計調査を中心とした公的資料に基づき、04年以降、毎年頭に「錠剤カプセル状健康食品」(本稿ではサプリと表現)の市場規模を推定している。

 安倍政権発足により円安・株高が進み、輸出中心の企業、金融、証券業界などは潤い始めた一方で、消費者は身近な食料品の値上げ続出に直面した。食品値上げはさらに続き、消費税率引き上げを転機として物価高時代到来と受け止め、生活防衛へと態度変容し、支出抑制に走り出したと見られる。

 高齢者が収入減を感じはじめたせいか、市場は13年10月ごろから、少しばかり低調となりはじめて14年を迎えた。消費増税直前の14年3月は当然のごとく消費支出並みの仮需要が発生したが意外に反動が大きく、4月以降月次サプリ支出金額は前年比70~80%台に大幅落ち込んで9月まで続いた。

 一方で、10月は115%と大幅なプラスに転じた。97年と比べると14年の仮需要は非常に少なく、流通段階や消費者の過剰在庫は4月から半年間で払底したことで、プラス転換した可能性がある。健康への欲求はそんなに揺らぎやすいとは思えず、機能性表示制度による好影響を考慮せずとも、今後2~3年の市場は僅かながら増勢を示すと予測する。

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