食品のSR評価難しい 健康食品フォーラム登壇3氏(2015.2.12)
食品の新たな機能性表示(機能性表示食品)をテーマにした「第33回健康食品フォーラム」(医療経済研究・社会保険福祉協会主催)が10日、都内で開催され、3つの講演とパネルディスカッションが行われた。新制度創設間近とあって、会場には健康食品業界関係者や一般など410名が集まった。
講演したのは清水俊雄氏(名古屋文理大学教授)、南郷栄秀氏(東京北医療センター総合診療科医長)、山本哲郎氏(機能食品開発支援機関協議会代表理事)の3氏。いずれも専門分野から新制度のポイントを解説したが、3氏の意見が一致したのが機能性検証方法の一つシステマティックレビュー(SR)は食品では難しいということ。
この分野に明るい南郷氏は、収集する論文の質はまちまちで、メタアナリシスに組み入れる論文次第で結果が変わると問題点を指摘。また医療分野を例にSRには通常2~3年はかかるとも語り結果や評価の難しさも伝えた。
山本氏も、コラーゲンやグルコサミンのSR実施経験から、(試験内容や被験者の)条件を揃えてSRを行うのは難しく、結果は出ないと疑問を投げかけた。山本氏は仮にSRで評価しても、そこからどのように機能性を表現するかという問題にも触れ、企業の自己責任で果たしてできるかと警告した。同氏はまた、もう一つの機能性評価法であるヒト試験について、臨床受託の経験から実効性のある指針にしてほしいと注文を付けた。
清水氏は、研究内容の質が悪い論文を排除するなど、選択基準や除外基準を明確にしないと、評価の対象に値しないSRが出てきて非常に問題だと語った。
【写真はパネルディスカッションの様子(10日、東京・千代田区)】