ノンアル飲料2品、トクホ許可 消費者委答申覆す(2015.2.19)


 消費者庁は18日、サッポロビール㈱と花王㈱が特定保健用食品(トクホ)として許可申請していた清涼飲料水2商品を許可した。2品ともノンアルコールタイプのビールテイスト飲料で、こうした特性を持つ商品のトクホ許可は初。

 許可したのはサッポロビールの「サッポロプラス」、花王の「ヘルシアモルトスタイル」。サッポロプラスは難消化性デキストリン(食物繊維)を配合し、食後の血糖値が気になる方に適する旨の表示が認められた。ヘルシアスタイルは茶カテキンを配合し、体脂肪が気になる方に適する旨の表示が認められた。

 ノンアルコール飲料のトクホ許可を巡っては、昨年8月に消費者委員会が「未成年者の飲酒の入り口になる」などとして、トクホに不適切と同庁に答申していた。だが、商品としてはトクホの許可要件を満たしており、同庁は内部検討を続け、今回、同委答申を覆して許可するに至った。

 同庁では今回の2商品の許可に当たり、ノンアルコール飲料に関する業界団体の自主基準(酒類に関する連絡協議会策定)の遵守を条件に加えている。遵守されない場合、許可取り消しもありうるともしている。

 自主基準では20歳以上を対象にしている旨の表示や、未成年者への飲用を推奨したり誘引するような表現は行わないなどの広告基準を設けている。また、販売店には年齢確認、アルコール飲料とは区分して陳列するなどの対応も求めている。

19日に会見した消費者委員会の河上正二委員長は、自主基準の遵守を許可条件としたことに一定の理解を示す一方、未成年者の飲酒を誘引しかねないトクホ許可には懸念を示した。

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