新制度のSRは「研究レビュー」 森下氏が見解(2015.2.26)


 薬業健康食品研究会は26日、「平成26年度第2回機能性食品勉強会」を都内で開催した。この中で内閣府規制改革会議委員の森下竜一氏は、機能性表示食品制度で求めるシステマティックレビュー(SR)は、「アカデミアの言う本当の意味でのSRではない。研究レビューと考えてほしい」と語り、厳密的にはSRではないとの認識を示した。

 森下氏は、新制度では「企業の責任で検索式を作成し、それに基づき、いつ、どのデータベースで検索したかを示しておけば良い」と語り、検索条件が重要と指摘した。結果的に論文ヒット数が1報しかなくても、「それはダメとはいえない」との見解を示した。また、ガイドラインでPRISMA声明に準拠したSR報告書の作成を求める方針であることについても「そこにあまりこだわる必要はない。精神として守ってほしい」レベルだとの認識を示した。

 一方、健康食品産業協議会の関口洋一会長は、業界の今後の対応を中心に説明。表示可能な機能性の文言について、「アカデミアの方々と消費者庁に相談したうえでポジティブリスト化したい」と語り、業界の自主的リスト化を目指す意向を示した。

 講演後の質疑応答では、早くも制度見直しに向けた動きが話題に。森下氏は、当初は制度対象外のビタミンやミネラルなどの栄養機能食品成分について、早々に委員会を立ち上げ1年かけて検討すると同庁から言質を得ていることを明かした。関口氏は機能性関与成分が明らかでないものについて、漢方原料を引き合いに「米国のcGMPのように作り方や原料等を規定し、アウトプットは同じものができるという論理構築でいくのが良い」との見解を示した。 

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