不招請勧誘規制など求める 特商法見直し議論開始
(2015.3.5)

消費者委員会 消費者委員会座長

 特定商取引法の見直しに向けた議論が始まった。消費者委員会は5日、「特定商取引法専門調査会」(後藤巻則座長・早稲田大学大学院教授)の初会合を開き具体的な検討を開始した。同調査会は期限を定めず「要望が強いもの、消費者被害が大きいもの、緊急な対応が必要なもの」(後藤座長)から順次検討を行うことを確認した。

 初会合では、特商法の概要や最近の消費者問題、また訪問販売、通信販売の動向について、消費者庁と経済産業省からそれぞれ説明があったあと、各委員から現状の課題や意見の聞き取りなどが行われた。

 このうち消費者庁からは、2013年度の消費者被害額が年間約6兆円、GDPの1.2%に相当するとの推定や、特商法に関係する消費生活相談では、訪問販売、電話勧誘販売、訪問購入で60歳以上の割合が5割を超えていること、マルチ取引では20~30歳代の相談が4割近くを占めるとの説明があった。

 委員からは、高齢者や認知症高齢者のトラブル増加や、インターネット取引に関するトラブル増加を懸念する意見が多く出た。中には、ネットモール運営事業者の責任を法で定められないかとの意見もあった。このほか、消費者が要請していない勧誘(不招請勧誘)の規制、指定権利制の廃止、送り付けなどネガティブオプションに対する書面交付義務化などが具体的な要望として複数の委員から出た。

 一方、委員には日本訪問販売協会や日本通信販売協会、日本商工会議所など、産業、経済団体からも参加。過度な規制で健全な事業者の活動が委縮しないよう求めたほか、関係者から幅広くヒアリングを行うことや、丁寧な議論を求めた。

【写真は、後藤巻則座長(写真右)、5日に開催された専門調査会(東京・千代田区)】

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